M-1グランプリの決勝で毎年会場を沸かせ、一度見たら忘れられないほどの強烈なインパクトを残すお笑いコンビ「インディアンス」。
彼らの代名詞とも言える、息もつかせぬボケとツッコミの応酬は、一体どのようにして生み出されているのでしょうか。
インターネット上では「インディアンスのネタ作りはどっちが担当しているのか?」という疑問を持つ方も多いようです。
この記事では、彼らのネタ作りの核心に迫るとともに、M-1決勝ネタの裏側、メンバーである田渕さんやきむさんのプロフィールを深掘りします。
さらに、田渕さんの実家や年齢、彼女の噂、そして相方のきむさんが時に「嫌われ」と言われる理由まで、インディアンスという芸人の魅力を、余すところなく多角的に解説していきます。
インディアンスのネタ作りの秘密とは?

まずはインディアンスのメンバー構成を紹介
インディアンスは、ボケ担当の田渕章裕(たぶち あきひろ)さんと、ツッコミ担当のきむ(本名:木村亮介 きむら りょうすけ)さんから構成される、吉本興業所属のお笑いコンビです。
二人の異なる個性が舞台上で見事に融合し、あの独特のハイテンションな漫才が生まれています。
彼らはNSC(吉本総合芸能学院)大阪校の31期生で、2010年にコンビを結成しました。
同期には、見取り図、ヘンダーソン、祇園といった実力派芸人が名を連ねています。
ボケ:田渕 章裕
1985年6月2日生まれ、兵庫県たつの市出身の田渕さん。
舞台を縦横無尽に駆け回り、太陽のような笑顔を振りまく姿から「ひまわり」と形容されることも多い、コンビのエネルギ源です。
次から次へと繰り出される予測不能なボケは、観客をインディアンスの世界観へ一気に引き込みます。
ツッコミ:きむ
1987年12月24日生まれ、大阪府出身のきむさん。
田渕さんの自由奔放なボケを、的確なワードセンスと絶妙なタイミングでさばくツッコミの名手です。
冷静にツッコむだけでなく、時には呆れたり、一緒に笑ってしまったりと、人間味あふれるリアクションが漫才にリズムと奥行きを与えています。
この二人が揃って初めて、インディアンスという唯一無二のコンビが完成するのです。
インディアンスのネタ作りはどっちが担当?
インディアンスのネタ作りは、田渕さんときむさんの「両者」が担当しています。
どちらか一方が主導権を握ってネタを作るのではなく、二人で意見をぶつけ合いながら共同で作り上げるスタイルが、彼らの漫才のクオリティを支える根幹となっています。
過去にNSCの特別授業に登壇した際には、ネタ作りの実態について「基本的に毎日です。仕事で時間がない日以外はやっているけれど、集中力が持たないので1回2時間。それをもう10年くらいやってます」と田渕さんが語っていました。
このストイックな姿勢こそが、あの圧倒的なボケ数を誇る漫才の基盤となっているのです。
また、二人の間には独特のルールが存在します。
学生新聞のインタビューによると、ネタ作りで意見が割れた場合、多数決や折衷案は採用しません。
どちらかの意見を全面的に採用して一度試してみる、という非常に潔い方法を取っているそうです。
この徹底した議論と試行錯誤が、ネタをより鋭く、面白いものへと昇華させています。
さらに、きむさんは若手時代、中川家やアンタッチャブルといった尊敬するコンビの漫才をすべて一言一句書き起こして研究していたという、努力家としての一面も持ち合わせています。
田渕さんが生み出す天才的な発想を、きむさんが分析的な視点で構成し、笑いのセオリーに乗せていく。
このように、二人の異なる才能が組み合わさることで、インディアンスのネタは完成するのです。
天才的なボケ担当のインディアンス田渕
田渕さんのボケの魅力は、その天真爛漫なキャラクターから放たれる予測不能な発想と、舞台を所狭しと駆け回るパワフルな動きに集約されます。
彼の底抜けに明るいパーソナリティが、インディアンスの漫才に他にはないエネルギーと、観る人すべてを幸せにするような多幸感を与えています。
例えば、M-1グランプリの舞台を思い出してみてください。
田渕さんは漫才中、ほとんど止まることなく動き回り、ボケのフレーズを発するたびに全身で感情を表現します。
一見するとアドリブや勢い任せに見えるかもしれませんが、その動きや表情の一つひとつが、実は緻密な計算の上で成り立っているのです。
心理学には「緊張と緩和」という笑いの理論がありますが、田渕さんのボケはこれを体現しています。
突拍子もない言動で観客の意表を突いて緊張状態を作り出し、次の瞬間には無邪気な笑顔で緩和させる。
この繰り返しが、会場に大きな笑いの渦を生み出します。
相方のきむさんも、そんな田渕さんの自由さを最大限に活かすことに徹しています。
田渕さんがどんなに舞台の端まで走って行こうとも、きむさんは決してその手綱を離さず、的確なツッコミでセンターマイクへと引き戻します。
この絶妙なコンビネーションがあるからこそ、田渕さんは安心してボケの世界に没頭できるのです。
的確なツッコミ担当のインディアンスきむ
きむさんのツッコミは、田渕さんの暴走するボケという名の激流を、的確な場所に導いて笑いという大きなうねりに変える、重要なダムのような役割を担っています。
彼のツッコミは、単にボケの間違いを指摘するだけではありません。
「~というわけ!」「なんでなん!」といった印象的なフレーズを使いながら、時には呆れ、時には一緒になって笑い、時には観客に同意を求めるなど、多彩なリアクションで漫才に豊かな表情を与えます。
この人間味あふれるツッコミスタイルが、田渕さんの非現実的なボケと現実世界とを繋ぐ架け橋となり、観客が置いてけぼりになるのを防いでいるのです。
前述の通り、きむさんは尊敬する先輩芸人の漫才を徹底的に研究していました。
その分析力は、彼のツッコミの随所に活かされています。
田渕さんが放つ無数のボケの中から、どれを拾い、どれをあえて無視し、どのタイミングでツッコめば最も笑いが大きくなるのか。
きむさんは、その最適解を瞬時に判断し、実行しています。
特に印象的なのが、ツッコみながらも見せる笑顔です。
田渕さんのボケに本気で笑ってしまっているかのようなその表情は、観客にコンビの仲の良さを感じさせ、会場全体を温かい空気で包み込む効果があります。
鋭い分析力に裏打ちされた技術と、人間的な温かさ。
この二つを併せ持っている点こそ、ツッコミ担当きむさんの真骨頂と言えるでしょう。
M-1で戦うインディアンスという芸人の凄さ
インディアンスという芸人の凄みは、なんと言ってもM-1グランプリという漫才界最高峰の舞台で、2019年から3年連続で決勝進出を果たしたという圧倒的な実績に表れています。
毎年4000組以上がエントリーするこの厳しい大会で、3年続けてファイナリストに選ばれるのは、卓越した実力と、進化を止めない探求心の証明に他なりません。
彼らの漫才スタイルは、ボケの手数が多く、ハイテンポで展開するため、4分間というM-1の短い制限時間の中で最大限のインパクトを残すのに非常に適しています。
審査員や視聴者の記憶に残りやすいという点は、トーナメントを勝ち上がる上で大きな武器となりました。
しかし、そのスタイルは諸刃の剣でもあります。
情報量が多すぎるため、一歩間違えればボケが渋滞し、何が面白いのか伝わりきらないまま終わってしまう危険性もはらんでいるのです。
実際に、彼らは毎年、自分たちの敗因を徹底的に分析し、翌年にはテンポや間の取り方を微調整して、より伝わりやすい漫才へと進化させてきました。
同じスタイルに安住せず、常に自分たちの漫才を疑い、改良を重ねる。
このひたむきな姿勢こそが、多くのファンや芸人仲間からリスペクトを集める理由です。
2022年大会でラストイヤーを終えましたが、彼らの挑戦は終わりません。
M-1という大きな目標を乗り越えた今もなお、劇場の舞台に立ち続け、純粋に笑いを追求する姿は、まさに「芸人」という生き様の格好良さそのものを示しています。
インディアンスのネタ作りを支えるM-1と素顔

M-1グランプリ決勝ネタの軌跡
インディアンスのM-1グランプリ決勝での戦いは、彼らの成長物語そのものです。
2019年のほろ苦い初登場から、2021年に初の最終決戦進出を果たすまでの軌跡を、各年のネタと共に振り返ります。
年 | 最終順位 | 披露したネタ | 審査員の主な評価・出来事 |
2019 | 9位 | おっさん女子 | 立川志らく「(田渕が)動きすぎ」 / 本番中にネタが飛ぶアクシデントが発生。 |
2020 | 7位 | 不良 | 敗者復活からの出場。トップバッターとして会場を温める役割を果たす。 |
2021 | 3位 | 怖い動画 / もっと売れたい | ファーストラウンドでナイツ塙が「一番うまかった」と絶賛。初の最終決戦に進出。 |
2019年:ネタ飛びの悪夢
初めての決勝の舞台は、独特の緊張感が漂っていました。
「おっさん女子」という、彼ららしいテーマのネタを披露しましたが、本番中に田渕さんのネタが一部飛んでしまうという痛恨のミスが起きてしまいます。
これが響き、結果は9位。
しかし、この失敗が、翌年以降の快進撃のバネとなりました。
2020年:敗者復活からの逆襲
この年は準決勝で涙を呑むも、敗者復活戦で見事に勝ち上がり、2年連続の決勝へ。
しかも出番はトップバッターという厳しい条件でしたが、それをものともしない勢いのある「不良」ネタで、前年の雪辱を果たしました。
2021年:初の最終決戦へ
3度目の決勝で、インディアンスはついに覚醒します。
ファーストラウンドで披露した「怖い動画」は、審査員から軒並み高評価を獲得。
特にナイツの塙さんからは「6000組で一番うまい」と最大級の賛辞が送られました。
勢いそのままに勝ち進んだ最終決戦では「もっと売れたい」という魂の叫びのようなネタを披露。
優勝こそ逃したものの、彼らの3年間の成長と努力が結実した、感動的なパフォーマンスでした。
インディアンス木村が嫌われと言われる理由
きむさんについて検索すると、「嫌われ」という少しネガティブなキーワードが目につきます。
これは、彼が持つ独特のキャラクターに起因しています。
きむさんが「嫌われキャラ」として認知されるようになった大きなきっかけは、テレビ番組「アメトーーク!」の「令和の好感度低い芸人」という企画でした。
他の芸人が推薦されて出演する中、きむさんは「スタッフ推薦」という異例の形で登場し、そのキャラクターが広く知られることになります。
番組内で見せる、先輩芸人に対しても物怖じしない発言や、自身のM-1ファイナリストという実績を基にした、いわゆる「マウント」的な言動が、「嫌われている」と言われる主な理由のようです。
特に、お見送り芸人しんいちさんとのやり取りで見せる、容赦のない一面は、たびたび話題になります。
しかし、これは彼の不器用な性格と、お笑いに対する真摯すぎる姿勢の裏返しとも言えます。
自分の信じる「面白さ」に正直であるからこそ、時には他者と衝突してしまうのです。
一方で、番組のドッキリ企画で号泣してしまったり、相方の田渕さんへの感謝を素直に口にしたりと、非常に人間味あふれる一面も持ち合わせています。
このギャップこそが、きむさんの本当の魅力なのかもしれません。
結果的に、この「嫌われキャラ」は彼の認知度を飛躍的に高め、今ではインディアンスの武器の一つとなっています。
ただの「いい人」では終わらない、クセのあるキャラクターが、多くの人を惹きつけているのです。
インディアンス田渕の実家はそうめん屋さん
田渕さんの天真爛漫なキャラクターのルーツは、その育った環境にあるのかもしれません。
実は、田渕さんのご実家は、そうめんのトップブランドとして全国的に有名な「揖保乃糸」の製麺所を営んでいます。
この事実は、2024年8月に放送された人気番組「秘密のケンミンSHOW極」で詳しく紹介されました。
番組では、田渕さん本人が「製麺所の息子」という視点から、地元・兵庫県たつの市が誇る揖保乃糸の魅力を熱弁。
VTRでは、ご家族も登場し、和気あいあいとした雰囲気が伝えられました。
スタジオの共演者たちは、地元民が愛するという特級品「黒帯」の美味しさに舌鼓を打ち、大きな反響を呼びました。
一般的に、芸人の世界はハングリーな精神が求められるイメージがありますが、田渕さんのように温かい家庭で育ったという背景が、彼のギスギスしない、カラッとした明るさに繋がっているのでしょう。
実家が安定した職業であるにも関わらず、厳しいお笑いの世界に飛び込み、トップレベルで戦い続けている。
その事実が、彼の芸人としての覚悟の強さを物語っているようです。
インディアンス田渕の気になる年齢
田渕章裕さんは、1985年6月2日生まれです。
この記事を執筆している2025年6月時点では、満40歳ということになります。
彼の年齢を知ることで、インディアンスというコンビのキャリアや、M-1グランプリでの挑戦の重みを、より深く理解することができます。
前述の通り、彼らはNSC大阪校の31期生です。
芸歴で言えばベテランの域に差し掛かっており、同期やその前後の世代には、数々の賞レースで活躍する実力派コンビがひしめいています。
その中で、常に第一線で活躍し続けるのは、並大抵の努力では成し遂げられません。
特に、M-1グランプリには「コンビ結成15年以内」という出場資格制限があります。
インディアンスがラストイヤーを迎えた2022年大会の時、田渕さんは37歳。
芸人として脂が乗り切った時期での最後の挑戦は、まさに集大成と呼ぶにふさわしいものでした。
舞台上でのエネルギッシュなパフォーマンスや、少年のように無邪気な笑顔を見ていると、つい年齢を忘れてしまいがちです。
しかし、その若々しさこそ、彼が日々たゆまぬ努力を続け、プロフェッショナルとして心身のコンディションを維持している証拠と言えるでしょう。
インディアンス田渕に彼女はいる?
人気芸人のプライベート、特に恋愛事情は、多くのファンが気になるところです。
田渕さんに関しても、過去に彼女の存在が大きく報じられたことがありました。
2023年1月、一部のメディアで、田渕さんがセクシー女優の美乃すずめさんと結婚するというニュースが報じられました。
この突然の報道は、ファンに大きな衝撃を与えましたが、直後に事態は急展開を迎えます。
田渕さん本人が、自身のYouTubeチャンネル「インディアンスのいんであんす」にて、この報道を真っ向から否定。
動画の中で「ザ・フェイクニュースです」と明確に宣言し、報道内容が事実無根であることをきっぱりと説明しました。
この迅速かつ誠実な対応により、ファンの間の混乱は収束しました。
この一件以降、田渕さんの彼女の有無について公に語られたことはなく、2025年6月現在、交際している方がいるかどうかは公表されていません。
舞台の上では常にオープンなキャラクターの田渕さんですが、プライベートに関しては、我々ファンも温かく見守る姿勢が大切です。
いつか彼から幸せな報告が聞ける日を、楽しみに待ちたいものですね。
まとめ:インディアンスのネタ作りは二人三脚の結晶
- インディアンスは田渕と きむのコンビである
- ネタ作りは二人で毎日行うのが基本スタイルである
- 意見が割れても折衷案は採用しない
- 田渕は天真爛漫なキャラクターでボケを量産する
- きむは的確なツッコミで笑いを増幅させる
- M-1グランプリには3年連続で決勝進出した
- 2021年には初の最終決戦進出を果たしている
- きむは愛すべき「嫌われキャラ」として定着している
- 田渕の実家は「揖保乃糸」の製麺所である
- 彼らの漫才は努力とコンビ愛の賜物である