誰もが知っている国民的な運動といえばラジオ体操ですが、「ラジオ体操第三」が存在したという事実をご存じでしょうか。
第1と第2があるのなら第3があっても不思議ではありませんが、なぜ現在は放送されていないのか不思議に思う方も多いはずです。
実は、ラジオ体操第三が消えた背景には、歴史的な事情や体操自体の難易度が深く関係しています。
この記事では、「ラジオ体操第三 なぜ消えた」という疑問に対し、その歴史的背景から現代における復刻版の動きまでを詳しく解説します。
幻の体操の正体を知ることで、いつもの健康習慣に新たな発見と運動効果を取り入れることができるでしょう。
ラジオ体操第三はなぜ消えたのか?2つの理由と復活しなかった背景
結論から申し上げますと、ラジオ体操第三が姿を消した主な理由は2つあります。
一つは戦後の歴史的な背景による放送中止、もう一つは体操そのものの難易度が高すぎたことによる普及の失敗です。
ここでは、それぞれの理由について時代背景を交えながら詳しく解説します。
理由①:戦後のGHQによる介入で放送中止になった(初代)
最初にラジオ体操第三が消えた原因は、第二次世界大戦後のGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による介入です。
1939年(昭和14年)に放送が開始された「初代」ラジオ体操第三は、国民の体力向上を目的としていました。
しかし、終戦後の1946年(昭和21年)、GHQはラジオ体操全体を一斉に行う様子を「全体主義的で軍国主義的である」とみなしました。
その結果、当時のラジオ体操は第1、第2、第3を含めてすべて放送中止を余儀なくされたのです。
つまり、初代ラジオ体操第三は、体操の内容以前に、敗戦という時代の波に飲み込まれる形で一度目の消滅を迎えました。
理由②:動きが複雑で難易度が高く定着しなかった(二代目)
二度目に消えた理由は、体操の動きが複雑すぎて国民に定着しなかったためです。
GHQによる中止後、1946年に「二代目」として新しいラジオ体操第1、第2、第3が作られ、放送が再開されました。
ところが、この二代目ラジオ体操第三は、ラジオの音声だけで動きを伝えることが非常に困難なほど複雑な動作で構成されていました。
さらに戦後の混乱期で放送時間が不安定だったことも重なり、全国への普及が進みませんでした。
結果として、二代目ラジオ体操はわずか1年半ほどで放送終了となり、これが「幻のラジオ体操」と呼ばれる所以となっています。
なぜ現在のラジオ体操(三代目)には第3が含まれなかったのか?
現在私たちが親しんでいるラジオ体操は、1951年(昭和26年)に制定された「三代目」にあたります。
この三代目が作られた際、第3が復活しなかった理由は、過去の失敗と対象者の明確化にあります。
初代および二代目の第3は、普及率が低く、一般大衆向けとしては難易度が高すぎると判断されました。
そのため、新しいラジオ体操(三代目)を制定するにあたっては、子供から高齢者まで誰でもできる「第1」と、職場向けで筋力強化を狙った「第2」の2つに絞られたのです。
こうしてラジオ体操第三は、公式のラインナップから外れ、長い間歴史の中に埋もれることになりました。
幻の「ラジオ体操第三」とは?いつから始まったどんな体操?
ラジオ体操第三は、過去に二度作られ、それぞれ異なる特徴を持っていました。
ここでは、その歴史的な変遷と、具体的にどのような動きだったのかについて解説します。
ラジオ体操第3の歴史と放送期間(初代・二代目)
ラジオ体操第三の歴史は古く、戦前から戦後にかけての短い期間にのみ放送されていました。
それぞれの放送期間と特徴を整理すると以下のようになります。
このように、初代は約7年間続きましたが、二代目に至ってはわずか1年半という短期間で終了しています。
現在まで続く三代目ラジオ体操(1951年~)には第3が含まれていないため、多くの人にとって未知の存在となっていたのです。
「難しい」は本当?第3の運動強度と動きの特徴
「ラジオ体操第三は難しい」という噂は事実であり、特に二代目は非常に高い運動強度を誇ります。
具体的な動きの特徴としては、テンポの速いリズムに合わせて、腕の上下左右の運動と屈伸などの足の動作を同時に行う複合的な動きが挙げられます。
第1や第2がストレッチや軽い筋力運動中心であるのに対し、第3は有酸素運動と複雑なステップを組み合わせた、いわば「筋トレ+脳トレ」のような内容です。
心拍数が上がりやすく、また動きを覚えるのにも頭を使うため、ただ体を動かすだけでなく集中力が求められる体操といえます。
チコちゃんも解説!第1・第2・第3の目的と対象者の違い
NHKの番組『チコちゃんに叱られる!』でもラジオ体操の謎が取り上げられ、それぞれの体操の目的の違いが解説され話題になりました。
各体操の役割分担は以下のようになっています。
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ラジオ体操第1:子供からお年寄りまで、一般の人がいつでもどこでも行えるように作られた、体の調整を主目的とした体操
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ラジオ体操第2:主に職場や青年層向けに作られた、筋力強化を目的とした力強い体操
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ラジオ体操第3:さらに身体機能を高めたい人向けに作られた、高強度の運動と複雑な動きを含んだ体操
このように、数字が大きくなるにつれて対象者の体力レベルや運動強度が上がるように設計されていました。
第3は、第1や第2では物足りない体力自慢の人や、より積極的な健康づくりを目指す人に適したプログラムだったのです。
現代に復活!ラジオ体操第3の図解・動画と健康効果
長い間「幻」とされてきたラジオ体操第三ですが、近年になって大学の研究チームによって復刻され、再び注目を集めています。
現代人の健康課題にもマッチするその効果について解説します。
龍谷大学が復刻した「二代目ラジオ体操第3」とは?
消えてしまったラジオ体操第三を現代に蘇らせたのは、龍谷大学の安西将也教授と井上辰樹教授らの研究チームです。
2013年、彼らは滋賀県東近江市からの依頼をきっかけに、当時の文献や資料を調査し、幻となっていた「二代目ラジオ体操第三」の動きと音楽を完全復刻しました。
YouTubeに残っていた音源を耳コピで再現し、古い図解資料を基に動作の一つひとつを解析して現代に復活させたのです。
この取り組みは、単なる歴史の掘り起こしにとどまらず、現代の健康づくりに役立つツールとしての普及活動へとつながっています。
うつ病予防やダイエットにも?期待できる第3の健康効果
復刻されたラジオ体操第三は、現代人が抱える健康問題に対して高い効果が期待されています。
龍谷大学の研究や導入した自治体のデータによると、継続して行うことで体重の減少や生活習慣病の改善が見られたという結果が出ています。
また、複雑な動きを行うことで脳が活性化されるため、認知症予防への期待や、適度な運動によるストレス発散効果からうつ病予防にも役立つと考えられています。
短時間で効率よく運動量を確保できるため、運動不足解消やダイエットを目的とする方にも最適なプログラムと言えるでしょう。
ラジオ体操第3の正しい動きがわかる図解や動画はどこにある?
現在、復刻されたラジオ体操第三の動きは、インターネットやDVDを通じて確認することができます。
最も手軽な方法は、YouTubeで公開されている龍谷大学や関連団体の公式動画を視聴することです。
動画では、実際の動きに合わせて解説が入っているものもあり、複雑な動作も視覚的に理解しやすくなっています。
また、図解入りの解説本やDVDも販売されており、自宅でじっくりと動きを習得したい方にはそちらもおすすめです。
最初は動きについていくのが大変かもしれませんが、動画を見ながら少しずつ真似をすることから始めてみてください。
「ラジオ体操第4」「第5」は存在する?噂の真相
インターネット上では、第3だけでなく「ラジオ体操第4」や「第5」といった言葉も検索されています。
これらは本当に存在する体操なのか、その真相について解説します。
ネットで話題の「ラジオ体操第4」はリーボックのCM動画
結論から言いますと、「ラジオ体操第4」はNHK公式の体操ではありません。
2010年頃に話題となったこの動画は、スポーツ用品メーカーであるリーボックジャパン(当時)が作成したプロモーション用の映像です。
内容は、最初は普通のラジオ体操のように始まりますが、徐々に動きが人間離れしていき、最終的にはアクロバティックな演技やダンスのような激しい動きになるというものです。
あくまでフィクションのエンターテインメント作品であり、一般の人が健康のために行う体操として作られたものではないため注意が必要です。
ラジオ体操第5以降は存在するのか?(公式・非公式)
第4と同様に、「ラジオ体操第5」以降も公式には存在しません。
YouTubeなどの動画サイトで検索すると「ラジオ体操第5」やそれ以降の番号がついた動画が見つかることがありますが、これらはすべて一般のクリエイターやお笑い芸人などが制作したネタ動画やパロディ作品です。
公式に認定されているラジオ体操は、現在放送されている「第1」「第2」と、過去に存在した「第3」までとなります。
したがって、健康増進を目的として真剣に取り組むのであれば、公式の第1・第2、そして復刻された第3を行うのが正解です。
ラジオ体操の意外な豆知識
最後に、ラジオ体操に関する意外と知られていない豆知識を紹介します。
これらを知ることで、毎日の体操がより深く楽しめるようになるかもしれません。
実は「ラジオ体操第2」も一度消えていた?
ラジオ体操第三が消えたことは有名ですが、実は現在放送されている「ラジオ体操第2」も、かつて一度消滅の危機に瀕していました。
1946年にGHQの介入ですべてのラジオ体操が中止になった際、第2も第1や第3と共に放送されなくなりました。
その後、1947年に二代目として復活しましたが、二代目第3と同様に難易度が高く普及せず、一度放送が終了しています。
現在のラジオ体操第2は、1952年(昭和27年)に職場向けの体操として改めて作り直された「三代目」にあたります。
つまり、第2は第3とは異なり、時代のニーズに合わせてリニューアルに成功したことで生き残ることができたのです。
効果を高めるラジオ体操第1・第2・第3の組み合わせ方
ラジオ体操は、それぞれの目的を理解して組み合わせることで、より高い運動効果を得ることができます。
理想的な流れは以下の通りです。
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ラジオ体操第1:まずは全身の筋肉や関節をほぐし、血行を良くしてウォーミングアップを行います。
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ラジオ体操第2:体が温まったところで、筋力強化を目的としたダイナミックな動きを取り入れます。
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ラジオ体操第3:最後に、有酸素運動と複雑な動きを含む第3を行い、心肺機能の向上と脳の活性化を図ります。
もちろん、体力に合わせてどれか一つを行うだけでも十分な効果がありますが、余裕がある日はこの「フルコース」に挑戦してみるのも良いでしょう。
まとめ:ラジオ体操第三 なぜ消えたのか完全解説
ラジオ体操第三は、歴史の波と難易度の高さによって一度は姿を消しましたが、現代の技術と研究によって見事に復活を遂げました。
幻の体操にチャレンジして、心と体の健康維持に役立ててみてはいかがでしょうか。
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ラジオ体操第三が消えた最初の理由はGHQによる放送中止命令である
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二代目が消えた理由は動きが複雑すぎて普及しなかったためである
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現在のラジオ体操(三代目)には第3が含まれず第1と第2のみとなった
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初代は1939年から、二代目は1946年から短期間だけ放送された
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第3は有酸素運動と複雑な動きを組み合わせた高強度の体操である
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龍谷大学の研究チームによって二代目ラジオ体操第三が完全復刻された
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うつ病予防や生活習慣病の改善など現代人に必要な健康効果がある
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ラジオ体操第4は企業のプロモーション動画であり公式ではない
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ラジオ体操第5以降も存在せずパロディ動画である
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第1から第3までを組み合わせることで最強の健康習慣になる

