「ライオンズクラブ」と聞くと、「お金持ちの集まり」「経営者の道楽」といったイメージを抱く方は少なくないかもしれません。
実際にどのような人々が活動し、どれくらいの費用がかかるのか、謎に包まれている部分も多いでしょう。
また、「やばい」「怪しい」といったネガティブな噂を耳にして、不安に感じている方もいるかもしれません。
この記事では、「ライオンズクラブとは金持ちの集まりなのか」という核心に迫り、会員の年収や会費、具体的な活動内容、そして様々な噂の真相について、客観的な情報に基づいて徹底的に解説します。
ロータリークラブとの違いや、入会のメリット・デメリットも明らかにすることで、あなたが抱えるライオンズクラブへの疑問を解消します。
ライオンズクラブは「金持ちの集まり」って本当?年収や会費の実態

結論:「お金持ちだけの集団」は誤解だが経済的余裕は必要
結論から言うと、ライオンズクラブは「お金持ちだけの集団」というのは誤解です。
公式サイトや会員のブログなどを見ると、会員の多くは商店主や小規模な会社のオーナーであり、誰もが富裕層というわけではないことがわかります。
しかし、活動を続けるためには会費や寄付、イベント参加費といった経済的な負担が伴います。
また、月2回の例会や奉仕活動への参加には時間も必要となるため、経済的および時間的な余裕があることが、入会の実質的な条件と言えるでしょう。
入会に求められる年収の目安はどのくらい?
ライオンズクラブの入会において、明確な年収基準が設けられているわけではありません。
知恵袋などでも「どの程度の年収があれば入れますか?」といった質問が見られますが、重要なのは年収の額そのものよりも、クラブの会費や活動費を無理なく支払い続けられる経済状況にあるかどうかです。
会員の職業は様々であり、年収も一概には言えませんが、安定した収入基盤があることが前提となります。
ステータスを証明するためというよりは、奉仕活動への意欲が最も重視される点を理解しておく必要があります。
【一覧】ライオンズクラブの具体的な入会金と年会費
ライオンズクラブの会費は、所属するクラブによって大きく異なります。
あくまで一例として、日本のライオンズクラブの先駆けである「東京ライオンズクラブ」の費用を見てみましょう。
項目 | 正会員の費用 | 賛助会員の費用 |
---|---|---|
入会金 | 50,000円 | 5,000円 |
年会費 | 280,000円 | 36,000円 |
(出典:東京ライオンズクラブ公式サイト)
正会員の場合、年間28万円の会費にはクラブ運営費、月2回の例会費、そして奉仕活動の事業資金が含まれています。
これに加えて、各種イベントへの参加費や交際費などが別途かかる場合があるため、入会を検討する際は、希望するクラブの会費体系を事前に確認することが不可欠です。
なぜ「金持ちの道楽」「自己満足」というイメージが定着したのか?
ライオンズクラブに「金持ちの道楽」や「自己満足」といったイメージが根付いている背景には、いくつかの理由が考えられます。
一つは、例会が高級ホテルで開催されたり、活動がメディアで「多額の寄付」として報じられたりすることが多いためです。
また、会員に会社の経営者や社会的地位の高い人が多いことも、そうしたイメージを補強している側面があります。
しかし、多くの会員は「自分ひとりの力では何も出来ないけれど、皆で集まれば大きな力になる」という奉仕の精神で活動しており、その実態はイメージとは異なることが多いようです。
もともとライオンズクラブとは?基本理念と具体的な活動内容

ライオンズクラブの理念「We Serve(我々は奉仕する)」とは?
ライオンズクラブは、1917年にアメリカのシカゴで設立された国際的な社会奉仕団体です。
その名称である「LIONS」は、「Liberty, Intelligence, Our Nation’s Safety(自由を守り、知性を重んじ、われわれの国の安全を守る)」という言葉の頭文字から取られています。
そして、クラブのモットーとして掲げられているのが「We Serve(我々は奉仕する)」という言葉です。
これは、個人の力だけでなく、会員が団結して社会に奉仕するという強い意志を表しています。
一体何をしてる?主な社会奉仕活動を具体的に紹介(献血、清掃、災害支援など)
ライオンズクラブの活動は、寄付だけにとどまりません。
地域社会に根差した、多岐にわたる直接的な奉仕活動(アクティビティ)を行っています。
- 献血活動:地域のイベントや大学と連携し、献血を呼びかけるキャンペーンを実施します。
- 環境保全活動:公園や河川の清掃活動、植樹などを通じて、地域の環境美化に貢献します。
- 子どもの貧困対策:子ども食堂への支援や食料品の寄付など、未来を担う子どもたちを支える活動です。
- 災害復興支援:地震や水害などの自然災害が発生した際、募金活動や被災地でのボランティア活動を迅速に行います。
- チャリティイベント:ゴルフ大会やバザーなどを開催し、その収益を福祉施設や各種団体へ寄付します。
これらの活動は、会員が自らの時間と労力を使って行うものであり、「We Serve」の精神を体現しています。
昔と今の違い:金銭奉仕から「汗で奉仕する」労力奉仕へのシフト
かつてのライオンズクラブは、高額な寄付金を集めて公共施設にモニュメントを寄贈するといった「金銭奉仕」が活動の中心というイメージがありました。
しかし、近年は社会情勢の変化もあり、その活動形態は変化しつつあります。
特に、定年退職後の世代で構成されるシニア・ライオンズクラブなどでは、「お金でなく、身体で奉仕する」という「労力奉仕」が活動のメインとなっています。
休耕地で育てた作物を福祉施設に届けたり、地域の祭りで餅つきを実演販売してその収益を寄付したりと、会員が直接汗を流す活動が重視される傾向にあります。
なぜ「やばい」「怪しい」と言われる?5つの理由と噂の真相

理由①:閉鎖的で不透明な「金持ちの社交場」というイメージ
ライオンズクラブへの入会には既存会員の推薦が必要であり、誰でも自由に入れるわけではありません。
この入会制度が「閉鎖的」という印象を与え、活動内容が外部に詳しく伝わりにくいことから、「一体中で何をやっているのかわからない」という不透明さが「怪しい」という噂につながっていると考えられます。
理由②:人脈作りやビジネス目的の会員がいるという実態
会員には経営者が多いことから、「人脈作りやビジネス拡大が目的で入会しているのでは」と見られることがあります。
実際に、異業種交流がビジネスチャンスにつながる側面は否定できません。
しかし、ライオンズクラブの本来の目的はあくまで社会奉仕です。
多くのクラブでは、奉仕の精神を理解しない利己的な目的での入会を戒めており、人脈形成は奉仕活動の結果として得られる副次的なものと捉えられています。
理由③:宗教団体や秘密結社と混同されている
「ライオンズクラブ」という名称や、外部から活動実態が見えにくいことから、一部で「新興宗教ではないか」「フリーメイソンのような秘密結社なのでは」と誤解されることがあります。
しかし、ライオンズクラブは特定の宗教や政治的思想とは一切関係のない、国際的な社会奉仕団体です。
この誤解を解くため、多くのクラブがウェブサイトやSNSで活動内容を積極的に公開しています。
理由④:会員の高齢化と世代間のギャップ
多くのライオンズクラブでは、会員の高齢化が課題となっています。
そのため、若い世代から見ると、組織の運営方法や例会の雰囲気が古風に感じられたり、世代間の価値観の違い(ジェネレーションギャップ)が生じたりすることがあります。
こうした古い体質への違和感が、「やばい」というネガティブな評判につながる一因となっている可能性があります。
理由⑤:「ガオー」という独特の挨拶は気持ち悪い?
ライオンズクラブには、「ローア」と呼ばれる「ガオー」というライオンの雄叫びを模した挨拶があります。
これは会員同士の結束を高め、親睦を深めるためのユニークな習慣ですが、知らない人が見ると奇異に感じ、「カルトっぽい」「気持ち悪い」といった印象を抱くことがあるようです。
しかし、この挨拶に特別な宗教的・思想的な意味合いは全くありません。
ロータリークラブとの違いは?2大奉仕団体を徹底比較
活動方針の違い:「We Serve(我々は奉仕)」と「I Serve(私は奉仕)」
ライオンズクラブとよく比較される団体に「ロータリークラブ」があります。
両者の最も大きな違いは、その活動方針にあります。
ライオンズクラブのモットーが「We Serve(我々は奉仕する)」であるのに対し、ロータリークラブは「I Serve(私は奉仕する)」を掲げています。
これは、ライオンズクラブが「団体として」の直接的な社会奉仕活動に重点を置くのに対し、ロータリークラブは会員「個人」が自らの職業を通じて社会に貢献する「職業奉仕」の理念を重視していることを示しています。
例会の頻度と参加のしやすさの違い
例会の頻度も異なります。
ライオンズクラブは月2回の開催が一般的で、比較的柔軟な参加が可能です。
一方、ロータリークラブは週1回の例会が基本となっており、より濃密な会員同士の交流が求められます。
このため、仕事や家庭の都合で時間的な制約がある方は、ライオンズクラブの方が参加しやすいと感じるかもしれません。
会員層と組織構造の違い
かつてロータリークラブは、一つのクラブに同じ職業の会員は一人までとする「一業種一会員制」を採用していたため、専門職や経営者の集まりという特色がありました(現在は廃止)。
ライオンズクラブは設立当初から職業の制限がなく、より幅広い職種の人々で構成されています。
現在では両クラブとも多様な職業の会員で構成されていますが、こうした歴史的背景が現在のクラブの雰囲気に影響を与えている部分もあります。
【比較表】ライオンズクラブ vs ロータリークラブ|費用・活動・向いている人
項目 | ライオンズクラブ | ロータリークラブ |
---|---|---|
モットー | We Serve(我々は奉仕する) | I Serve(私は奉仕する) |
活動の重点 | 団体としての直接的な社会奉仕 | 個人の職業を通じた奉仕 |
例会頻度 | 月2回が一般的 | 週1回が基本 |
費用 | クラブにより様々だが比較的手頃な場合も | クラブにより様々だが比較的高額な傾向 |
向いている人 | 団体で協力して活動したい人、直接的なボランティアをしたい人 | 自身の専門性を活かしたい人、異業種交流を重視する人 |
結局どっちに入会すべき?自分に合ったクラブの選び方
どちらのクラブに入会すべきかは、あなたの目的や価値観によって異なります。
地域の清掃活動や募金活動など、皆で力を合わせて直接的な社会貢献をしたいと考えるなら、ライオンズクラブが向いているでしょう。
一方で、弁護士が無料法律相談を行うように、自分の専門知識やスキルを活かして社会に貢献したい、あるいは頻繁な例会を通じて異業種の人々と深く交流したいと考えるなら、ロータリークラブが適しているかもしれません。
入会前には、両方のクラブの例会にゲストとして参加し、実際の雰囲気や活動内容を肌で感じてみることをお勧めします。
ライオンズクラブに入会するメリット・デメリットを正直に解説

【メリット】社会貢献の実感、異業種の人脈形成、自己成長
ライオンズクラブに入会する最大のメリットは、地域社会への貢献を直接的に実感できることです。
ボランティア活動を通じて「誰かの役に立っている」という達成感を得られます。
また、例会や活動を通じて、普段の生活では出会えないような多様な職業や年齢の人々と交流できるため、価値ある人脈が広がります。
さらに、クラブの運営やプロジェクトの企画・実行に関わることで、リーダーシップやコミュニケーション能力といったスキルが磨かれ、自己成長につながることも大きな魅力です。
【デメリット】高額な会費と時間的拘束
デメリットとしては、やはり経済的な負担と時間的な制約が挙げられます。
前述の通り、会費はクラブによって年間数十万円に及ぶことがあり、それ以外にも寄付やイベント参加費がかかる場合があります。
また、月2回の例会や奉仕活動への参加には、一定の時間を確保する必要があります。
仕事や家庭との両立が難しいと感じる場合、活動が負担になってしまう可能性も考慮しなければなりません。
打算的な目的での入会はNG?得られる本当の価値とは
人脈作りやビジネスの利益といった打算的な目的だけで入会することは、奉仕を理念とするライオンズクラブの本来の趣旨とは異なります。
そのような動機では、活動の楽しさや達成感を得ることは難しいかもしれません。
しかし、純粋に奉仕活動を楽しむ中で、自然に人との出会いが生まれ、結果として気の合う仲間や生涯の友人ができることは、何物にも代えがたい価値と言えるでしょう。
大人になってから利害関係のない新しい仲間を作る機会は貴重であり、それこそがライオンズクラブの隠れた魅力です。
ライオンズクラブに所属している有名人はいる?
ライオンズクラブには、企業の経営者や地域の名士、政治家などが所属しているケースが多くあります。
しかし、クラブが会員の名簿を公にすることは基本的にないため、「この有名人が会員だ」と断定することは困難です。
各種イベントにゲストとして有名人が招かれることはありますが、必ずしも会員であるとは限りません。
会員であるかどうかは、個人のプライバシーに関わる情報として扱われています。
ライオンズクラブへの入会資格と具体的な方法
入会条件:誰でも入れるわけではない?
ライオンズクラブへの入会には、一定の資格が求められます。
東京ライオンズクラブの例では、「豊かな知性と道徳心の持ち主で、地域社会で声望のある成年」が資格として挙げられています。
これは、単に会費を払えるというだけでなく、人格や地域社会からの信頼が重視されることを意味します。
つまり、誰でも簡単に入れるわけではなく、クラブのメンバーとしてふさわしいかどうかが審査されます。
入会の具体的な流れ(会員の推薦と理事会の承認)
ライオンズクラブに入会するための一般的な流れは以下の通りです。
- 推薦:まず、クラブに所属している既存会員からの推薦が必要です。知人に会員がいない場合は、クラブの事務局に直接問い合わせて相談することもできます。
- 招請:推薦を受けると、クラブから正式な入会の招請(お誘い)があります。
- 承認:クラブの理事会で審議され、会員としてふさわしいと判断されると入会が承認されます。
- 入会:承認後、正式にクラブのメンバーとなります。
入会前にゲスト参加して雰囲気を確認しよう
多くのクラブでは、入会を検討している人を対象に、例会やイベントにゲスト(オブザーバー)として参加する機会を設けています。
いきなり入会を決めるのではなく、まずはゲストとして参加し、クラブの雰囲気は自分に合っているか、どのような人たちが活動しているのか、具体的な活動内容はどうかなどを自分の目で確かめることが非常に重要です。
実際の活動に触れることで、入会後のミスマッチを防ぐことができます。
まとめ:ライオンズクラブと金持ちの関係性の実態
- ライオンズクラブは「金持ちだけの集団」というわけではない
- 会員には経営者や商店主が多いが職業は多様である
- 入会には会費や活動時間を捻出できる経済的・時間的余裕が必要
- 具体的な会費はクラブにより異なり年間数十万円かかる場合もある
- 主な活動は「We Serve」の理念に基づく社会奉仕活動である
- 近年は金銭寄付だけでなく労力奉仕にも重点が置かれている
- 「やばい」「宗教」といった噂は誤解や情報不足から生じている
- ロータリークラブとは活動の焦点や例会頻度が異なる
- 入会には社会貢献意欲のほか人脈形成や自己成長のメリットがある
- 入会には既存会員の推薦とクラブの承認が必要である