Mrs. GREEN APPLEのフロントマンとして、作詞・作曲・編曲のすべてを手がける大森元貴。
2025年のNHK朝ドラ「あんぱん」でピアノ演奏を披露したことで、「大森元貴はピアノが弾けるのか」「実力はどの程度なのか」という関心が一気に高まりました。
さらに2026年2月リリースのソロ楽曲「0.2mm」ではピアノを基調とした繊細なサウンドが話題を呼び、楽譜が読めないという意外な事実にも注目が集まっています。
この記事では、大森元貴とピアノの関係を多角的に掘り下げます。
幼少期の音楽体験から独学での作曲プロセス、朝ドラでの猛特訓エピソード、バンド内での役割分担、そしてピアノ楽譜市場での人気まで、知りたい情報を網羅的にまとめました。
大森元貴はピアノが弾ける?本人が語る実力の真相
大森元貴はピアノを弾くことができますが、本人は一貫して「僕はピアノ弾きではない」と明言しています。
この表現には明確な意図があります。
楽曲制作のツールとしてピアノ(MIDIキーボード)を日常的に使いこなしている一方で、クラシックやジャズのピアニストのような専門的訓練を受けた演奏者ではないという自己認識です。
2025年9月のオリコンのインタビューでは「ピアノもちゃんと勉強したことがない」「セオリーがなくて全部独学」と発言しており、共演者を驚かせました。
また、2025年8月のナタリーの取材では「普段ピアノで曲を作ることはあるのですが、僕自身はピアノ弾きではないので、演奏シーンがあると聞いて『ヤバい』と不安になりました」と率直に語っています。
つまり、作曲用にコードを押さえたりメロディを確認したりする程度の演奏はできるものの、人前で本格的な楽曲を通して弾くことには慣れていなかったのが実情です。
それでも朝ドラで見事な演奏を披露できた背景には、短期間での集中的な努力がありました。
大森元貴の音楽経歴とピアノの位置づけ
小学6年で始まった独学の音楽人生
大森元貴の音楽人生は、小学6年生のときにMONGOL800に憧れてエピフォンのベースを購入したことから始まりました。
卒業式で目立ちたいという動機から同級生や先生とバンド「1733(ワンセブンダブルスリー)」を結成し、初めてのオリジナル曲を披露しています。
その後、コード進行を理解するためにギターへ移行しました。
家にあったおもちゃのようなギターの弦を張り替えるところから覚え、やがて無名メーカーのレスポールタイプを購入しています。
幼少期にはピアノを習い事として経験していたものの、長期間にわたる本格的なレッスンではなかったとされています。
母親が多彩な習い事を経験させる教育方針だったことが背景にあり、ピアノ以外にも書道や演劇に触れていました。
中学時代のDTMとピアノの活用
音楽制作の転機となったのは中学1年のときです。
独学でDTM(デスクトップミュージック)を始めましたが、当初は機材の知識がほとんどありませんでした。
オーディオインターフェースの存在を知らずギターの録音方法がわからなかったり、MIDIコントローラーを持っていなかったため電子ピアノに内蔵されたドラム音色をスピーカーからマイクで拾って録音したりと、手探りの制作を続けていました。
この時期に使っていたDAWはApple社のGarageBandです。
中学時代は不登校気味で3年間のうち半分も登校していなかったとされており、自宅にこもって作曲に没頭する日々が続きました。
ピアノは演奏楽器としてではなく、コードやメロディのアイデアを形にするための作曲ツールとして、この時期から大森の制作環境に組み込まれていたことがわかります。
バンド結成後の作曲環境の進化
2013年にMrs. GREEN APPLEを結成した後、DAWはLogic Pro Xとアビッド・テクノロジー社のPro Toolsへ移行しました。
現在の楽曲制作では、パソコン上でMIDIキーボードと複数のギターを使い、打ち込みを軸にしたスタイルで作曲しています。
大森がパソコンで作り上げたデモ音源をメンバーに送り、キーボードの藤澤涼架とギターの若井滉斗が耳で聴いて音を拾い、演奏に落とし込むという独自のワークフローが確立されています。
ピアノはこのプロセスにおいて、最初にコードを構築する段階で欠かせない存在です。
公開された作曲映像では、まずMIDIキーボードでコードを作成し、そこにメロディを歌唱しながら乗せていく様子が確認できます。
楽譜が読めないのになぜ作曲できるのか
大森元貴が楽譜を読めないという事実は、多くのファンにとって最大の驚きのひとつです。
複数のメディアで「譜面は読めないし書けない」「音楽の理論はわからない」と本人が繰り返し公言しており、これは謙遜ではなく事実として受け止められています。
それにもかかわらず作曲ができる理由は、現代のデジタル音楽制作環境にあります。
DAWソフト上ではピアノロールと呼ばれる視覚的なインターフェースで音の高さや長さを直感的に配置でき、五線譜を読み書きする能力は必ずしも必要ありません。
大森の場合、メロディと歌詞が「同時に降りてくる」と語っており、頭の中に浮かんだ音楽をMIDIキーボードとパソコンで即座に形にしていくスタイルです。
1曲の制作時間はわずか1〜2時間で、「すごく飽き性」なため短時間で集中して仕上げることを自らに課しています。
また、絶対音感の有無について明確な公式発言はないものの、電子ピアノのドラム音色を耳で拾って録音していた中学時代のエピソードや、ピアノ指導動画を見て耳コピで演奏を習得したという「あんぱん」でのエピソードからは、極めて高い聴覚的能力を持っていることがうかがえます。
楽譜という伝統的なツールに頼らず、耳と感覚とデジタルツールを駆使して年間多数の楽曲を生み出し続けているという事実は、現代の音楽制作における新しい才能のあり方を象徴しているといえるでしょう。
朝ドラ「あんぱん」で披露したピアノ演奏の全容
いせたくや役でのピアノシーンが実現した経緯
2025年8月4日放送回からNHK連続テレビ小説「あんぱん」に出演した大森元貴は、作曲家・いずみたくをモデルとした「いせたくや」役を演じました。
キャスティングのきっかけは、制作統括の倉崎憲が2023〜2024年のファンクラブツアー「The White Lounge」を観たことです。
演劇を交えたライブパフォーマンスに感銘を受け、「アーティストでありながら自分自身を表現する天才」と評してオファーに至りました。
劇中では演技だけでなく、ピアノの演奏シーンや弾き語りシーンが複数回にわたって登場しています。
大森は役作りのために5kg近く増量し、襟足を短くカットするなどの準備を行いましたが、ピアノ演奏については予想以上の試練が待っていました。
1週間の猛特訓と藤澤涼架のサポート
ピアノの演奏シーンがあると知らされたのは、撮影本番のわずか1週間前のことでした。
スポニチの取材によると、大森はCM撮影やレコーディングの現場でも常に楽屋にピアノを用意してもらい、「20秒でも時間があったら弾いていた」と明かしています。
ピアノ指導の先生が演奏した動画を見て耳コピで練習する方法を採りつつ、バンドメンバーの藤澤涼架にもアドバイスを求めました。
しかし藤澤からは「これ1週間じゃ無理だよ」と率直に言われたといいます。
撮影初日に行われた「東京ブギウギ」の伴奏シーンでは、難易度の高い楽曲にもかかわらず見事な演奏を披露しました。
本人はダイヤモンド・オンラインの取材で「諸説あるようですが、資料を読むと、いずみさんも独学でピアノを習得したらしくて。
子どもの頃から英才教育を受けてきたわけではなく、自分なりのフォームで弾いていらしたのかなと都合のいいように解釈しました」とユーモア交じりに語っています。
視聴者とSNSでの圧倒的な反響
「あんぱん」でのピアノ演奏シーンは、放送のたびにSNS上で大きな話題となりました。
第92回(2025年8月5日放送)の「東京ブギウギ」伴奏シーンでは、「豪華すぎる」「説得力しかない」「このレッスンは受講したい」といった声が相次いでいます。
その後、「楽譜が読めない」という裏話が報道されると、「逆にすごい」「天才」という驚きの反応がさらに広がりました。
2025年8月14日放送回の「見上げてごらん夜の星を」の弾き語りシーンでは、「優しい歌声」「何度聴いても上手すぎる」と視聴者からの高い評価が寄せられています。
9月17日の「怪傑アンパンマンのテーマ」弾き語りでも「歌うますぎる」「毎度聴き入ってしまう」と反響が続きました。
NHK「あんぱん」公式Instagramが公開した約1分間のオフショット動画では、大森がアップライトピアノに座りジャズ風のメロディを軽やかに奏でる姿が映し出され、「鳥肌が止まらない」「プロ魂を感じる」「かなり貴重なシーン」と称賛のコメントが殺到しました。
さらに2025年10月のスピンオフ特別編でもピアノ弾き語りシーンが登場し、「低音が素敵」「すごいコラボ」と話題を呼んでいます。
大森元貴と藤澤涼架のピアノにおける役割の違い
Mrs. GREEN APPLEにおけるピアノ(キーボード)の正式な担当は藤澤涼架です。
ここでは、大森と藤澤のピアノに関する背景とバンド内での役割の違いを整理します。
| 項目 | 大森元貴 | 藤澤涼架 |
|---|---|---|
| バンドでの担当 | ボーカル・ギター | キーボード |
| ピアノの学習歴 | 幼少期の習い事+独学 | 小諸高校音楽科で正規に学習 |
| 楽譜の読み書き | できない(本人公言) | 可能(音楽科出身) |
| バンドでの役割 | 作曲時にMIDIキーボードでデモ制作 | デモ音源を耳コピしてライブ・録音で演奏 |
| 専門的な音楽教育 | なし(完全独学) | フルート専攻+ピアノ学習(吹奏楽全国大会出場) |
藤澤は長野市立柳町中学校の吹奏楽部でフルートを始め、吹奏楽の強豪校として知られる同校で全国大会に出場した実力者です。
小諸高校音楽科に進学後、フルートを専攻しながらピアノも学んでおり、音楽の正規教育を受けたプロフェッショナルといえます。
一方、大森はすべてが独学です。
作曲段階ではMIDIキーボードでコードを構築し、メロディを作り上げるまでを一人で行いますが、ライブや録音でのキーボード演奏は藤澤が担います。
大森が生み出したデモ音源を藤澤が耳で聴いて解釈し、実際のパフォーマンスに落とし込むという連携が、Mrs. GREEN APPLEのサウンドの核となっています。
「あんぱん」撮影時には藤澤がピアノの弾き方をアドバイスするなど、バンド内での信頼関係が演技の場面にも活かされました。
ソロ楽曲「0.2mm」に見るピアノサウンドの魅力
2026年2月24日にリリースされた大森元貴のソロ1stミニアルバム「OITOMA」のリード曲「0.2mm」は、ピアノを基調とした楽曲として注目を集めています。
映画「90メートル」(2026年3月27日公開)の主題歌として書き下ろされたこの楽曲は、人生の岐路に立つ高校生の息子と難病を抱えるシングルマザーの愛を描いた感涙物語にふさわしい、温かく繊細なサウンドが特徴です。
ティザー映像が公開された2026年2月23日の時点で、「これだけでなんか癒される」「この短さでもわかる良い曲」「もう泣ける」といったコメントが多数寄せられたとオリコンや産経新聞が報じています。
Mrs. GREEN APPLEの楽曲がバンドサウンド中心であるのに対し、「0.2mm」はピアノの旋律が前面に出たゆったりとしたテンポの楽曲です。
このことから、従来のミセス楽曲とは異なるソロアーティストとしての表現の幅を示す作品として評価されています。
MVは2026年2月24日に公開済みで、窓越しに見えるバス停が季節の移ろいとともに映し出される映像美も話題となりました。
ピアノ楽譜市場で高まるMrs. GREEN APPLE人気
楽譜の入手先と対応レベル
Mrs. GREEN APPLEおよび大森元貴ソロ楽曲のピアノ楽譜は、複数のプラットフォームで幅広い難易度のアレンジが販売されています。
主な入手先としては、Piascore、@ELISE(アットエリーゼ)、ぷりんと楽譜(ヤマハ)、DeoCOM、kokomuなどがあり、1曲あたり110円〜500円程度でダウンロード購入が可能です。
Piascoreでは、Mrs. GREEN APPLE名義のピアノソロ楽譜だけで600件以上が登録されており、入門から上級まで幅広い層に対応しています。
難易度別の代表曲と選び方
ピアノ学習者が楽譜を選ぶ際の参考として、難易度別の代表的な楽曲を以下にまとめます。
| 難易度 | 代表曲 | 特徴 |
|---|---|---|
| 入門〜初級 | 「僕のこと」「恋と吟」 | 簡単なアレンジで初心者でも取り組みやすい |
| 中級 | 「0.2mm」「ケセラセラ」「ダーリン」 | 原曲の雰囲気を保ちつつ適度な難易度 |
| 上級 | 「ライラック」「天国」「絵画」 | リズムの複雑さや転調の多さが際立つフルアレンジ |
ヤマハ刊行の「ピアノソロ ベストヒットランキング 〜2025年上半期編〜」には、「天国」「ダーリン」「青と夏」「クスシキ」「ライラック」など多数のMrs. GREEN APPLE楽曲が収録されており、ピアノ楽譜市場における人気の高さがうかがえます。
「0.2mm」はピアノ主体のゆったりとした楽曲であるため、一般的にMrs. GREEN APPLEの楽曲の中ではピアノ学習者にとって比較的取り組みやすいと評価されています。
一方、「ライラック」や「天国」はテンポが速くリズムパターンが複雑なため、上級者向けのアレンジでは相当な技術が求められます。
YouTube・SNSでのカバー動画トレンド
2026年2〜3月にかけて、YouTube・TikTok・Instagramの3つのプラットフォームで「0.2mm」のピアノカバー動画が急増しています。
リリース直後から上級・中級・初級の楽譜が一斉に販売開始されたこともあり、カバー動画の中には公開2〜3週間で数万回再生を記録するものも見られます。
Mrs. GREEN APPLEの楽曲は以前からピアノカバーの題材として人気が高く、「ケセラセラ」「Soranji」「ダーリン」「青と夏」なども定番のカバー曲として広く演奏されています。
2026年最新動向:朝ドラ主題歌と今後の展開
大森元貴とピアノをめぐる最新のトピックとして、2026年の動向を整理します。
まず、2026年3月30日から放送開始のNHK連続テレビ小説「風、薫る」の主題歌をMrs. GREEN APPLEが担当することが発表されました。
楽曲名は「風と町」で、大森は「あんぱん」に出演しながら並行して楽曲制作を進めていたことが明かされています。
2025年の「あんぱん」への俳優出演に続き、2026年の「風、薫る」では主題歌を提供するという形で、2年連続でNHK朝ドラに深く関わる異例の展開となりました。
ソロ活動においては、1stミニアルバム「OITOMA」が2026年2月24日にリリースされ、ソロ活動5周年の節目を飾っています。
収録曲は「French」「メメント・モリ」「Midnight」「絵画」「こたえあわせ」「0.2mm」など、2021年のソロデビュー以降の軌跡を総括する内容です。
映画「90メートル」が2026年3月27日に全国公開を迎えるため、主題歌「0.2mm」の注目度は今後さらに高まることが見込まれます。
ピアノを基調としたこの楽曲が映画館で多くの観客に届くことで、大森元貴のソロアーティストとしての新たな一面が広く認知される契機となるでしょう。
まとめ:大森元貴のピアノにまつわる事実を総括
- 大森元貴は作曲ツールとしてピアノを使いこなすが、本人は「ピアノ弾きではない」と一貫して表明している
- 楽譜は「書けないし読めない」と公言しており、作曲はDAW(Logic Pro X / Pro Tools)とMIDIキーボードで行う
- 幼少期にピアノの習い事を経験しているが、本格的な音楽教育は受けておらず完全に独学である
- 中学1年で電子ピアノとパソコンを使ったDTMを独学で始めたことが音楽キャリアの原点である
- 朝ドラ「あんぱん」では撮影1週間前から猛特訓を行い、「東京ブギウギ」などのピアノ演奏シーンで大きな反響を得た
- ピアノ特訓ではバンドのキーボード担当・藤澤涼架のサポートを受け、耳コピと反復練習で習得した
- Mrs. GREEN APPLEにおけるキーボードの正式担当は藤澤涼架であり、大森の役割は作曲段階でのデモ制作である
- ソロ楽曲「0.2mm」はピアノを基調とした繊細なサウンドで、映画「90メートル」主題歌として注目を集めている
- ピアノ楽譜市場ではMrs. GREEN APPLEの楽曲が常に上位にランクインし、入門から上級まで幅広い難易度のアレンジが販売されている
- 2026年はNHK朝ドラ「風、薫る」の主題歌提供やソロアルバムリリースなど、ピアノとの関わりがさらに深まる展開が続いている

