「昔、13星座占いが流行ったけれど、へびつかい座はなぜ消えたのだろう」
「自分の星座が変わってしまうという話はどうなったのか」
ふとした瞬間に、かつて話題になったへびつかい座の存在を思い出し、疑問に思うことがあるかもしれません。
一時期はメディアで大きく取り上げられ、射手座や蠍座の人々を中心に衝撃を与えましたが、現在では再び12星座占いが主流となっています。
この記事では、へびつかい座が占星術の定着に至らなかった本当の理由を、占星術の構造的な問題や文化的背景から詳しく解説します。
さらに、もし13星座占いが適用された場合の新しい星座区分や性格、神話やフィクションで描かれる「消された理由」についても網羅しました。
天文学的な事実と占いのルールの違いを正しく理解することで、星占いへの理解がいっそう深まるはずです。
へびつかい座はなぜ消えた?13星座占いが定着しなかった4つの理由
へびつかい座が一般的な星占いから消えた、あるいは定着しなかった最大の理由は、西洋占星術が持つ「完成されたシステム」を壊してしまうためです。
単にブームが去ったというだけでなく、論理的な破綻を招くことが専門家の間で指摘され、徐々に下火になっていきました。
ここでは、へびつかい座が受け入れられなかった主な4つの要因について解説します。
理由1:西洋占星術の「12分割」システム(3区分・4元素)が崩壊するから
西洋占星術における「12星座」とは、実際の夜空の星座そのものではなく、太陽の通り道である黄道を30度ずつ均等に12分割した「サイン(宮)」という概念を指します。
この12という数字は非常に合理的で、占星術の基本理論である「3区分(活動・不動・柔軟)」と「4元素(火・地・風・水)」を完璧に組み合わせるために必要不可欠な数です。
たとえば、「牡羊座=活動宮×火の元素」といったように、それぞれの星座に役割が割り振られ、これによって性格や運勢を詳細に分析します。
ここに13番目の要素を無理やり組み込むと、この美しい数学的な対称性が崩れ、割り当てが不可能になってしまいます。
また、13は素数であり割り切れないため、円を等分するシステムとしても扱いにくく、占星術の理論体系そのものが機能しなくなるのです。
理由2:欧米における「13」という数字への忌避感と文化的背景
西洋文化圏において、「13」という数字は不吉なものとして忌避される傾向が強くあります。
キリスト教における「最後の晩餐」の出席者が13人だったことや、北欧神話のロキが13番目の客として現れ災厄をもたらしたことなどが由来とされています。
そのため、日常的に親しまれる占いの世界に「13」という数字を持ち込むことに対し、無意識レベルでの抵抗感を持つ人々が少なくありませんでした。
日本よりも占星術の歴史が深い欧米では、伝統的な12星座への信頼が厚く、13星座という新しい概念は「不吉な数字への変更」とも受け取られかねないため、広く浸透することはなかったのです。
理由3:自分の星座が変わる(射手座がへびつかい座になる)ことへの抵抗感
多くの人々にとって「私は〇〇座」という認識は、自分自身のアイデンティティの一部になっています。
「自分は情熱的な射手座だ」「慎重な蠍座だ」と信じて生きてきた中で、突然「あなたは今日からへびつかい座です」と言われても、すぐには受け入れがたいものです。
特に、へびつかい座が挿入される期間(11月30日~12月17日頃)に該当する人々は、慣れ親しんだ星座を奪われるような感覚を覚えました。
また、へびつかい座以外の星座も期間がずれるため、多くの人が「自分の星座が変わる」という混乱に直面します。
このように、ユーザー側の混乱と心理的な拒絶反応が大きかったことも、定着を阻んだ大きな要因の一つです。
ブームの経緯:1995年の流行と「NASAが星座を変えた」という誤解
日本で「へびつかい座」が大きく話題になったのは、1995年頃のことです。
イギリスの天文学者ジャクリーン・ミットンが「黄道上にはへびつかい座もある」と指摘し、それを受けて作家のウォルター・バーグが13星座占いを提唱したことがきっかけでした。
さらに、「NASAが星座の数を変えた」「天文学の進歩で星座が変わった」といった誤った解釈が広まり、センセーショナルに報道されたことでブームが加熱しました。
しかし、NASAはあくまで科学的な天体観測機関であり、占星術のルール変更に関与することはありません。
NASA自身も後に「私たちは占星術を変えたのではなく、計算をしただけだ」と公式にコメントし、科学(天文学)と占い(占星術)は別物であると強調しています。
こうした誤解が解けるにつれ、ブームは自然と収束していきました。
実は消えていない?天文学上の「へびつかい座」と「黄道」の事実
占星術の占いとしては一般的にならなかったへびつかい座ですが、夜空に輝く星座としては「消えた」わけではありません。
むしろ天文学的な視点で見れば、へびつかい座は非常に重要な位置を占める、立派な黄道星座の一つです。
ここでは、実際の星空におけるへびつかい座の事実と、よく混同される歳差運動について解説します。
天文学では現役:太陽がへびつかい座を通る期間は19日間ある
天文学において「黄道星座」とは、太陽の通り道(黄道)がその領域を通過している星座のことを指します。
1928年、国際天文学連合(IAU)によって全天88星座の境界線が厳密に定められました。
この定義に基づくと、太陽はさそり座の領域を通過した後、確かにへびつかい座の領域(足元付近)を通過しています。
その期間は11月30日から12月17日頃までの約19日間にも及びます。
実は、隣接するさそり座を太陽が通過するのはわずか7日間程度しかありません。
つまり、天文学的な「太陽の通り道」という観点だけで見れば、さそり座よりもへびつかい座の方が長く太陽が滞在しているのです。
歳差運動の真実:実際の星空と占星術のサインはずれている
「星座の日付がずれている」と言われる原因の一つに、地球の「歳差(さいさ)運動」があります。
地球は独楽(こま)のように首を振りながら回転しているため、約2万6000年かけて地軸の向きが円を描くように移動します。
この影響で、春分点(占星術のスタート地点)の位置が、古代バビロニアで占星術が作られた約2000年前と比べて、西へ大きくずれてしまっています。
現在の空では、春分点は牡羊座ではなく魚座にあります。
しかし、一般的な「トロピカル方式」と呼ばれる西洋占星術では、この天文学的なズレを考慮せず、春分点を常に「牡羊座の0度」と固定して考えます。
実際の星の位置に関係なく、季節のサイクルを基準にするルールを採用しているため、天文学上のへびつかい座が黄道にあっても、占星術のサインには含めないのです。
本当に歴史から消えたのは「ポニャトフスキの牡牛座」というトリビア
「消えた星座」という話題で天文学ファンに知られているのが、「ポニャトフスキの牡牛座」です。
これは18世紀後半、現在のへびつかい座の一部にあたる星々を使って作られた星座でした。
ポーランドの天文学者が、当時の国王ポニャトフスキを称えて設定したもので、一時期は星図にも描かれていました。
しかし、その後定着することなく、20世紀に現在の88星座が整理された際に正式に不採用となり、へびつかい座の領域に戻されました。
へびつかい座自体は消えていませんが、へびつかい座の領域の中には、本当に歴史から消えてしまった星座のエピソードも眠っているのです。
13星座占いだと自分は何座?日付一覧とへびつかい座の期間
もし仮に13星座占いを採用した場合、あなたの星座は何になるのでしょうか。
従来の12星座の日付とは区切りが大きく異なるため、自分がどの星座に該当するのか確認してみましょう。
ここでは、へびつかい座の期間と、全星座の日付比較一覧を紹介します。
へびつかい座の誕生日はいつからいつまで?(11月30日~12月17日頃)
13星座占いにおいて、へびつかい座に該当するのは、一般的に11月30日から12月17日生まれの人です。
この期間は、従来の12星座占いでは「射手座」の期間に含まれています。
そのため、もしあなたがこの期間の生まれであれば、12星座占いでは射手座、13星座占いではへびつかい座ということになります。
また、年や提唱者によって日付の定義に1日程度のズレが生じることがあります。
【早見表】12星座と13星座の日付比較!あなたの星座はどう変わる?
13星座占いを適用すると、へびつかい座が割り込むことで、それ以降の星座の日付が後ろにずれていきます。
また、各星座の期間も均等ではなくなり、実際の太陽の運行に合わせた日数になります。
以下は一般的な13星座占いの日付一覧です。
特に蠍座の期間が非常に短くなり、約1週間しかありません。
これまで蠍座だった人の多くが天秤座になり、射手座だった人の一部がへびつかい座になります。
13星座占いはいつから提唱された?ウォルター・バーグとマーク矢崎の影響
先述の通り、13星座占いという概念自体は1990年代半ばにイギリスのウォルター・バーグが著書『The 13 Signs of the Zodiac』で広めたものが有名です。
日本では、占術家のマーク矢崎氏がいち早くこの理論を紹介し、書籍や雑誌で大きく取り上げました。
彼は、へびつかい座を含めることで、より個人の性格を細分化できるとし、新しい時代の占いとして普及に努めました。
しかし、伝統的な占星術師たちからの反発や、前述した構造的な矛盾もあり、あくまで「一つのバリエーション」として扱われるにとどまっています。
へびつかい座の性格・特徴とは?「医学の神」のような平和主義と探究心
もしあなたがへびつかい座だとしたら、どのような性格の持ち主なのでしょうか。
13星座占いで語られるへびつかい座は、隣り合う蠍座と射手座の性質をミックスしたような、独特の魅力を持つとされています。
その特徴を詳しく見ていきましょう。
基本性格:蠍座の執着心と射手座の自由さを併せ持つハイブリッド
へびつかい座の性格を一言で表すと、「目的意識の高い平和主義者」です。
蠍座のような深い探究心や一つのことに集中する粘り強さを持ちながら、射手座のような自由で前向きな行動力も兼ね備えています。
正義感が強く、曲がったことが嫌いですが、基本的には穏やかで争いを好みません。
また、知的好奇心が旺盛で、新しい知識を吸収することに喜びを感じる傾向があります。
自分の信念に基づいて行動できる強さを持っていますが、時にその正義感が強すぎて、周囲と衝突してしまう頑固な一面も持ち合わせています。
へびつかい座の女性・男性の恋愛傾向と「魔性の魅力」
恋愛において、へびつかい座は「一途で情熱的」な傾向があります。
男性の場合、好きになった相手には誠実に尽くし、浮気を嫌う真面目なタイプが多いと言われます。
相手を楽しませるユーモアと、包容力を併せ持っているため、パートナーとして信頼されます。
女性の場合、蠍座由来のミステリアスな魅力と、射手座由来の天真爛漫さを併せ持つため、「つかみどころのない魔性の魅力」を感じさせる人が多いようです。
嫉妬深い一面もありますが、基本的には相手の自由を尊重しようと努力します。
一度心を許すと深い愛情を注ぎますが、裏切りに対しては厳しく、一度冷めると復縁は難しいかもしれません。
へびつかい座の適職は?医師や人を癒やす仕事に向いている理由
へびつかい座のモチーフとなっているのは、ギリシャ神話の名医「アスクレピオス」です。
このことから、へびつかい座の人は医療関係や人を癒やす仕事に高い適性を持つとされています。
医師、看護師、薬剤師はもちろん、カウンセラーやセラピストなど、人の心身のケアに関わる職業で才能を発揮するでしょう。
また、高い集中力と探究心を生かして、研究者や専門職としても成功しやすいと言われています。
人の役に立つことに喜びを感じる奉仕の精神が、仕事のモチベーションになるタイプです。
へびつかい座の神話と「聖闘士星矢」で描かれる「消された理由」
へびつかい座が「消えた」というエピソードは、現実の占いブームの話だけでなく、神話やフィクションの世界でもドラマチックに描かれています。
なぜこの星座は「特別な存在」として扱われることが多いのでしょうか。
その背景にあるギリシャ神話と、人気作品での扱いについて紹介します。
ギリシャ神話:死者さえ蘇らせる名医アスクレピオスとゼウスの雷
へびつかい座のモデルとなったのは、太陽神アポロンの息子であり、天才的な医師であった「アスクレピオス」です。
彼はケンタウロスの賢者ケイローンから医術を学び、やがて師を超えるほどの名医となりました。
アスクレピオスの医術は凄まじく、病気を治すだけでなく、ゴルゴンの血を使って死者さえも蘇らせることができるようになったと伝えられています。
彼が杖に蛇を巻き付けていた姿は、現在の医学のシンボルマーク「アスクレピオスの杖」として、WHO(世界保健機関)や救急車のマークにも採用されています。
神話での最期:なぜ神の怒りを買い、天に上げられたのか
アスクレピオスが死者を蘇らせるようになったことで、冥界の王ハデスは「死者の秩序が乱れる」と激怒しました。
人間が死を克服し、神の領域に踏み込むことを恐れた全知全能の神ゼウスは、ハデスの訴えを聞き入れ、アスクレピオスに雷を落として殺してしまいます。
しかし、彼の生前の功績は偉大であったため、ゼウスはその死を惜しみ、天に上げて星座にしました。
これがへびつかい座の起源です。
神話においても、「能力が高すぎて神の怒りを買い、存在を消された(殺された)」という悲劇的な背景を持っているのです。
聖闘士星矢ND:伝説の「13番目の黄金聖闘士」オデッセウスの復活
人気漫画『聖闘士星矢』の正統続編である『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』では、へびつかい座(オピュクス)が物語の重要な鍵として登場します。
作中では、神話の時代に13番目の黄金聖闘士が存在しましたが、神になろうとした傲慢さから神々の怒りを買い、存在ごと抹消されたという設定になっています。
この伝説の聖闘士「オデッセウス」が復活し、聖域(サンクチュアリ)に混乱をもたらす展開は、現実の「へびつかい座論争」や神話を巧みに取り入れたストーリーとしてファンの間で大きな話題となりました。
「消された最強の存在」というイメージは、こうしたフィクション作品を通じても多くの人々の想像力を掻き立て続けています。
まとめ:へびつかい座 なぜ消えた
へびつかい座が一般的な星占いに定着せず、消えたように見えるのには、占星術の理論的な理由や歴史的な背景が深く関係していました。
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西洋占星術の12分割システムが崩れ、理論が成立しなくなるため定着しなかった
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欧米における「13」という数字への忌避感が普及を妨げた
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自分の星座が変わることへのユーザーの抵抗感が大きかった
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天文学上では、太陽が19日間も通過する立派な黄道星座である
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13星座占いでは、11月30日から12月17日生まれがへびつかい座になる
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性格は蠍座の探究心と射手座の自由さを併せ持つ平和主義者
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医学の神アスクレピオスがモデルであり、人を癒やす仕事に適性がある
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神話でも「死者を蘇らせる力」を危険視され、ゼウスに消された過去を持つ
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実際に歴史から消えたのは「ポニャトフスキの牡牛座」である
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「消された」というミステリアスな背景が、今も多くの人を惹きつけている

