2026年ミラノ・コルティナ五輪で日本フィギュアスケート史上初のペア金メダルを獲得した「りくりゅう」こと三浦璃来・木原龍一組。
フリーでは世界歴代最高となる158.13点を叩き出し、ショートプログラム5位からの大逆転劇は世界中に感動を届けました。
この快挙の裏側には、カナダ・オークビルを拠点にした6年半にわたる生活と鍛錬の日々があります。
なぜ二人はカナダを選んだのか、現地での暮らしはどのようなものなのか、英語でのコミュニケーションや車での移動事情はどうなっているのか。
この記事では、りくりゅうのカナダ生活にまつわるあらゆる側面を、最新の報道情報をもとに詳しくお伝えしていきます。
りくりゅうがカナダを練習拠点に選んだ理由とは?
りくりゅうがカナダに渡った最大の理由は、世界トップクラスのペア専門コーチの指導を受けるためです。
2019年のペア結成と同時にカナダ・オンタリオ州オークビルへ移住し、以来6年以上にわたってこの地で技術と絆を磨いてきました。
コーチのマルコット氏がオークビルへの移住を勧めた経緯
りくりゅうの結成を導いたのは、カナダ人コーチのブルーノ・マルコット氏です。
マルコット氏は当時パートナーを探していた木原龍一に対し、三浦璃来とペアを組むことを提案しました。
2019年にオーディションが実施され、滑り出した瞬間から二人の相性の良さが際立っていたと伝えられています。
マルコット氏は自身の拠点であるオークビルへの移住を勧め、二人は迷うことなくカナダ行きを決断しました。
もう一人のコーチであるミーガン・デュハメル氏は、カナダの元五輪ペアメダリストです。
現役時代の経験に基づく技術指導は、りくりゅうの成長に欠かせない要素となっています。
日本国内にペア専門の指導者が少ないという構造的な課題
カナダを選んだ背景には、日本のペア競技を取り巻く環境的な問題もあります。
日本国内にはペアやアイスダンスを専門的に指導できるコーチが極めて少なく、世界トップレベルの指導を受けられる場所が限られていました。
シングル競技では荒川静香さん、羽生結弦さんをはじめ数多くの世界王者を輩出してきた日本ですが、カップル競技の育成基盤は長らく脆弱だったのです。
りくりゅうが海外へ渡ったのは、こうした国内の構造的な課題を乗り越えるための必然的な選択でした。
カナダがペア競技の強豪国である環境面のメリット
カナダはロシアと並ぶフィギュアスケートのペア強豪国として知られています。
国内に多くのペアチームが存在するため、日常的にハイレベルな選手たちと同じリンクで練習できる環境があります。
切磋琢磨できる相手がすぐそばにいることは、技術向上のスピードを大きく左右する要素です。
さらにカナダではペア・アイスダンス競技が文化として根付いており、観客やメディアの理解度も高いという利点があります。
こうした環境は、競技に集中するうえで非常に大きな支えとなっています。
りくりゅうのカナダでの生活はどんな日常?
りくりゅうのカナダでの生活は、練習と日常が密接に結びついたものです。
関係者によれば「1年のうち360日は一緒にいるのでは」と言われるほど、二人は常に行動をともにしています。
オークビルでの共同生活と「360日一緒にいる」距離感
二人の練習拠点であるオークビルは、トロントの西約30キロに位置する街です。
三浦は「緑もあって本当にきれい」と語り、木原は「新しい建物が多いのですごくきれい」と話すなど、住環境にも満足している様子がうかがえます。
トロント近郊で共同生活を送る二人は、オフの日以外は毎日顔を合わせています。
2026年2月19日放送のテレビ番組でも、三浦は「常に一緒にいる」と明かし、大きな話題を呼びました。
ペア競技は二人の呼吸を合わせることが不可欠であり、こうした密接な距離感が氷上での阿吽の呼吸につながっていると考えられています。
毎朝6時から始まる練習ルーティンの中身
りくりゅうの一日は早朝から始まります。
練習拠点のオークビルでは毎朝6時からリンクに立ち、日々のトレーニングに励んでいると報じられています。
ペア競技はリフトやスロージャンプなど、高い身体能力と信頼関係が求められる技が多く、反復練習の量が成果に直結します。
早朝の静かなリンクで集中してトレーニングを重ねるスタイルは、結成当初から一貫して続けられてきたものです。
りくりゅうはカナダで自炊をしている?食事事情と手料理エピソード
カナダでの食事面については、二人がお互いに手料理を振る舞うことがあると報じられています。
海外生活で健康を維持するためには、自炊による栄養管理が重要な要素です。
2025年からは食品系企業による三浦の栄養サポートも新たに始まり、食事面のバックアップ体制も強化されました。
異国の地で自ら食事を整える生活は、アスリートとしての自己管理能力を高める一助にもなっているといえるでしょう。
「カナダのお母さん」と慕う支援者の存在と生活サポート
慣れない海外での暮らしを支えてきたのが、神戸市出身でトロント大学に勤務する嘉納ももさんです。
二人から「カナダのお母さん」と慕われる嘉納さんは、病院への同行や手料理の差し入れなど、生活全般にわたるサポートを行ってきました。
嘉納さん自身はトロント大学で働きながらフィギュアスケートの大会ボランティアに携わっており、りくりゅうがオークビルに拠点を構えた際に関係者を通じてつながりが生まれたとされています。
「大げさに言えば、命を懸けて毎日練習している。
そういう緊張感の中で何百日も一緒にやってきている」と語る嘉納さんの存在は、異国での生活を支える大きな柱となってきました。
りくりゅうのカナダ生活で英語力はどう変わった?
海外拠点での競技生活において、英語でのコミュニケーション能力は避けて通れない課題です。
りくりゅうの二人も、カナダでの6年半を通じて語学面でも大きな成長を遂げてきたと見られています。
渡加当初の言語の壁とコミュニケーションの苦労
2019年にカナダへ渡った当初、二人にとって英語は大きなハードルでした。
コーチの指示を正確に理解し、自分たちの感覚や考えを的確に伝えることは、競技力の向上に直結する問題です。
日常生活においても、買い物や医療機関の受診など、英語が必要となる場面は数多くあります。
特に怪我をした際の病院対応では、症状を正確に伝えなければならないため、嘉納さんのサポートが大きな助けとなりました。
コーチや現地スタッフとの英語でのやり取りの実態
カナダ人コーチのマルコット氏やデュハメル氏との日常的なやり取りは、当然ながら英語で行われています。
練習中の細かなニュアンスの伝達、プログラムの解釈、精神面のケアに至るまで、すべてが英語でのコミュニケーションです。
産経新聞の報道では、木原が「カナダと日本の時差に配慮するなどコミュニケーションを丁寧にとっている」とも伝えられており、言語面での対応力が高まっていることがうかがえます。
海外拠点だからこそ磨かれた国際対応力
6年半のカナダ生活を経て、二人の英語力は国際大会の取材対応でも発揮されるようになりました。
ミラノ五輪後には海外メディアからの質問にも応じており、国際舞台でのコミュニケーション力は着実に向上しています。
カナダでの生活で培われた英語力は、競技面だけでなく、海外メディアへの発信力という点でも二人の大きな武器となっています。
りくりゅうはカナダで車を運転している?移動手段の実情
カナダ、特にオンタリオ州郊外での生活においては、車での移動が生活の基本です。
日本の都市部とは大きく異なる交通環境の中で、りくりゅうの二人がどのように日常の移動をこなしているのかにも注目が集まっています。
オークビルの交通事情と車社会カナダでの暮らし
オークビルはトロント近郊に位置する閑静な住宅街ですが、公共交通機関だけで日常生活を完結させることは容易ではありません。
カナダの郊外都市では車が主要な移動手段であり、買い物やリンクへの移動など、日々の生活に車が欠かせない環境です。
北米で生活するアスリートの多くが現地で運転免許を取得し、自ら車を運転して移動しているケースが一般的とされています。
練習リンクまでの移動方法と日常の足
毎朝6時からの練習に間に合うためには、早朝の移動手段を確保しておく必要があります。
オークビルの練習リンクまでの日常的な移動においても、車での運転が基本になっていると考えるのが自然です。
冬場はカナダ特有の厳しい寒さや積雪にも対応しなければならず、移動手段の確保は海外生活を送るうえでの重要な要素といえるでしょう。
カナダ拠点で得たものと乗り越えた試練
りくりゅうのカナダ生活は順風満帆ではありませんでした。
コロナ禍の混乱、怪我との戦いなど、数々の試練を現地で乗り越えてきた経験が、ミラノ五輪での精神的な強さにつながっています。
コロナ禍で帰国を断念しカナダに残った決断
2020年春、新型コロナウイルスの感染拡大によりカナダ全土がロックダウンに入りました。
多くの在外邦人が帰国を選ぶ中、りくりゅうの二人は日本への帰国を断念し、カナダに残ってトレーニングを継続する道を選びました。
不安定な状況下でも練習環境を維持する判断は、結果としてペアの成熟を大きく加速させたと一般的に評価されています。
異国の地で二人だけで困難に向き合った経験は、パートナーとしての信頼関係をより強固なものにしました。
木原の腰椎分離症と三浦の肩脱臼をカナダで乗り越えた日々
りくりゅうは怪我にも繰り返し悩まされてきました。
2023年には木原が腰椎分離症を発症し、約4か月半にわたって実戦から離脱しています。
グランプリシリーズの初戦やNHK杯など主要大会を欠場せざるを得ない状況となり、復帰への道のりは容易なものではありませんでした。
一方の三浦も、過去に複数回の左肩脱臼を経験しています。
2025年12月の全日本選手権では、ショートプログラム直前の練習中に左肩を脱臼するアクシデントが発生しましたが、肩を入れ直して激痛に耐えながら演技を完遂し、首位を獲得するという驚異的な精神力を見せました。
翌日のフリーは大事をとって棄権したものの、この出来事はペアとしての強靭なメンタルを改めて証明するものとなりました。
怪我のリハビリ中も二人でカナダに残り続けた理由
木原の腰椎分離症のリハビリ期間中、三浦はカナダに残り、隣でトレーニングを続けました。
一人が離脱した時期にも拠点を離れず、互いのそばにいることを選んだのです。
毎日新聞の報道によれば、三浦は「龍一くんがリハビリを頑張っている姿を見て自分も頑張ろうと思えた」と語っています。
怪我という困難を共有し、同じ場所で乗り越える経験が、氷上での一体感をさらに深めたことは間違いありません。
カナダのコーチ陣がりくりゅうにもたらしたものとは?
りくりゅうの飛躍を語るうえで、カナダのコーチ陣の存在は不可欠です。
技術面だけでなく精神面でも深い信頼関係で結ばれたコーチ陣の指導哲学が、五輪金メダルという結果に結実しました。
ブルーノ・マルコット氏の心理学的アプローチと指導哲学
マルコット氏の指導スタイルは、心理学者のようなアプローチと評されています。
三浦は「言われたことを聞いていれば間違いない」と語り、木原は「人間観察力がすごい」と感嘆するほど、二人から全幅の信頼を寄せられている指導者です。
技術的な助言にとどまらず、選手の精神状態を細やかに観察し、最適なタイミングで最適な言葉をかける点がマルコット氏の最大の強みといえます。
フリー後には「2人のつながりが本当に伝わってきて、純粋な魔法のようだった」と興奮気味に語る場面も報じられました。
元五輪メダリストのデュハメル氏から学んだ技術と経験
もう一人のコーチであるミーガン・デュハメル氏は、カナダ代表として五輪のペア種目でメダルを獲得した実績を持つ元選手です。
自らが世界最高峰の舞台で戦った経験をもとにした技術指導は、りくりゅうのプログラムの完成度を高めるうえで大きな役割を果たしています。
選手目線でのアドバイスができるコーチの存在は、大舞台でのプレッシャーへの対処法を学ぶうえでも貴重なものでした。
SP5位からの逆転を生んだ「魔法の言葉」の真相
ミラノ五輪のショートプログラムでリフトが乱れ、まさかの5位発進となったりくりゅう。
首位とは6.90点の差がつき、木原は演技後に氷上で約10秒間動けなくなるほどのショックを受けました。
失意のどん底にいた二人に対し、マルコット氏は「昨晩を理解するな(Don’t try to understand last night)」という言葉を繰り返し伝えたと報じられています。
ミスの原因を分析して引きずるのではなく、すべてを受け入れて前だけを向くよう促すこの言葉が、二人を立ち直らせる「魔法の言葉」となりました。
さらにマルコット氏は「野球だと9回3アウト取るまで終わらない」とも声をかけ、まだ逆転のチャンスが十分にあることを伝えたとされています。
翌日のフリーでは世界歴代最高得点を叩き出し、五輪史上最大ともいわれる逆転劇を演じてみせました。
りくりゅうのカナダ拠点と日本の練習環境はどう違う?
りくりゅうの成功は、カナダという環境があったからこそ実現したものです。
一方で、日本国内の練習環境も近年急速に整備が進んでいます。
両者の違いを知ることで、日本のペア競技が今後どこへ向かうのかが見えてきます。
カナダにあって日本に足りないペア競技のインフラ
カナダには複数のペア専門コーチが各地に存在し、多くのペアチームが日常的に練習を行っています。
練習相手となるライバルが身近にいることで、自然と高いレベルでの競争が生まれる環境があるのです。
一方、日本ではペアやアイスダンスの専門コーチが依然として少なく、りくりゅうと同水準の指導を国内で受けることは現状では困難です。
練習リンクの確保においても、シングル競技に比べてカップル競技は二人分のスペースと時間が必要となるため、環境面での課題が残っています。
木下アカデミーが国内で進める育成環境の整備状況
りくりゅうの所属先である木下グループは、国内のカップル競技育成に大きく貢献しています。
2020年に京都・宇治市に設立された木下アカデミーでは、1枠90分で3万6000円かかるリンクの貸切りを1日最大7枠確保し、ペアやアイスダンスにも十分な練習時間を提供しています。
バレエのレッスンも同じ施設内で受けられるなど、包括的なトレーニング環境の構築が進んでいます。
木下グループは「陽の当たらないところにこそ支援を」という方針のもと、シングルに比べて注目度の低かったカップル競技を長年にわたり支援してきました。
現在ではアカデミーだけでも6組のペア・カップルが活動しており、支援の実りが目に見える形で表れ始めています。
日本のペア競技が強豪国入りするために必要な条件
日本がペア競技の強豪国として定着するためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。
まず指導者の育成です。
木下グループも「今活躍している選手たちが、いずれアカデミーに帰ってきて指導者として次の選手を育てる環境を整えたい」という長期ビジョンを掲げています。
加えて、2025年6月に神戸市にオープンした国際規格の通年リンク「シスメックス神戸アイスキャンパス」のような施設の充実も重要な要素です。
競技環境、指導者、資金的支援の三つが揃ってこそ、持続的な強化が可能になります。
ミラノ五輪金メダルとカナダ拠点の関係を振り返る
2026年ミラノ・コルティナ五輪でのりくりゅうの金メダルは、カナダでの6年半の集大成です。
団体戦から個人戦に至るまで、オークビルで磨き上げた技術と精神力が存分に発揮されました。
団体戦と個人戦で見せたカナダ仕込みの圧倒的完成度
りくりゅうはまず団体戦で、予選・決勝ともにペア1位の得点を記録しました。
フリーでは155.55点をマークし、日本チームの2大会連続となる団体銀メダル獲得に大きく貢献しています。
かつて団体戦で得点源とはなり得なかったペア種目が、りくりゅうの存在によって日本チームの柱に変わったのです。
個人戦ではショートプログラムでリフトのタイミングがずれるミスが出て73.11点の5位発進となりましたが、翌日のフリーで完璧な演技を見せ、合計231.24点で逆転金メダルを勝ち取りました。
三浦は「リフトは全て2人のあうんの呼吸、タイミングで成り立っている。
少しズレてしまうとああなる」とミスの原因を冷静に分析しています。
フリー世界歴代最高158.13点を支えた6年半の積み重ね
フリーで記録した158.13点は、ペアのフリースケーティングにおける世界歴代最高得点です。
合計点の231.24点も自己ベストであり、世界歴代5位に入る驚異的なスコアとなりました。
この得点を生み出したのは、カナダで毎朝6時からリンクに立ち続けた6年半の地道な積み重ねにほかなりません。
マルコット氏とデュハメル氏のもとで磨かれた技術力、精神的な強さ、そして二人の間に育まれた絶対的な信頼関係が、歴史的な演技となって結実しました。
海外メダリストやロシアの重鎮も認めた演技の評価
りくりゅうのフリーの得点に対しては、一部で論争も起きています。
ロシア国内王者を3度獲得したペア選手が中継解説で「明らかに過剰な得点」と批判したことが報じられました。
しかし銀メダルを獲得したジョージアのペアは「彼らはその得点に値する成果を上げた」と反論し、銅メダルのドイツのペアも「日本のペアは非常に強い。
これほど高いスコアも不思議はない」と擁護しています。
4位のハンガリーのペアも「現時点で彼らは世界一」と称賛しました。
さらにロシアフィギュア界の伝説的コーチであるタチアナ・タラソワ氏は「本当に圧倒的な演技だった」「このような演技は教えられるものではない」と高く評価しており、りくりゅうの実力は世界的に広く認められているといえます。
りくりゅうの今後とカナダ拠点の行方
金メダルを手にしたりくりゅうの今後に注目が集まっています。
競技の継続、カナダ拠点の今後、そして二人が切り開いた道を追う次世代の存在。
日本のペア競技は新たなステージへと進もうとしています。
金メダル後の競技継続に関する最新の発言と動向
2026年2月19日時点で、りくりゅうの引退や競技継続に関する公式発表はありません。
木原は現在33歳で、ペア結成前の2019年頃には引退を考えていた時期があったことを公言しています。
一夜明けの会見では「引退しようとした7年前の自分にかけてあげたい言葉がある」と語り、ここまで続けてきたことへの感慨をにじませました。
三浦は24歳であり、年齢的には競技を続ける余地が十分に残されています。
2030年にフランス・アルプスで予定されている次回冬季五輪への出場可能性も含め、今後の動向が注目されます。
オークビルが日本ペア競技の聖地になる可能性
りくりゅうの成功により、カナダのオークビルは日本のペア競技にとって特別な場所となりました。
金メダル獲得後にはオークビルの地元コミュニティからも「毎朝6時から練習してきた二人を誇りに思う」といった祝福メッセージが寄せられ、りくりゅうが地域に愛される存在であることがうかがえます。
2019年以降、日本人ペアの練習拠点として広く知られるようになったオークビルは、今後も日本のペア競技にとって重要な場所であり続ける可能性があります。
次世代の選手たちがりくりゅうの背中を追い始めている現状
りくりゅうの快挙は、日本のペア競技全体に大きな波及効果をもたらしています。
ミラノ五輪には木下アカデミー所属の長岡柚奈・森口澄士組も出場し、日本史上初めて複数のペアが同じ五輪に出場する歴史的な瞬間が実現しました。
長岡・森口組は結成わずか3シーズンで五輪出場枠を獲得しており、りくりゅうの存在が後進の成長を加速させていると広く評価されています。
木下アカデミーにはペアやアイスダンスを志望する選手が増え始めているとも報じられており、りくりゅうが切り開いた道は確実に次の世代へと受け継がれつつあります。
まとめ:りくりゅうのカナダ生活が金メダルをもたらした軌跡
- りくりゅうは2019年のペア結成と同時にカナダ・オークビルへ移住し、6年半にわたって同地を練習拠点としてきた
- カナダを選んだ理由は、ペア専門コーチのマルコット氏の拠点であったことと、日本国内の指導者不足という構造的課題による
- 二人は「1年のうち360日は一緒にいる」ほどの距離感で共同生活を送り、自炊で食事を整えるなど自己管理を徹底してきた
- 海外生活では嘉納ももさんが「カナダのお母さん」として病院同行や生活サポートを担い、二人の支えとなってきた
- 英語でのコミュニケーション力は6年半のカナダ生活で着実に向上し、コーチとの意思疎通や海外メディア対応にも活かされている
- 車社会であるカナダ郊外での日常移動は、競技生活を送るうえで欠かせない要素である
- コロナ禍での帰国断念、木原の腰椎分離症、三浦の肩脱臼など数々の試練をカナダで乗り越えた経験が精神的な強さにつながった
- マルコット氏の「昨晩を理解するな」という言葉がSP5位からの大逆転を生み、フリーで世界歴代最高の158.13点を記録した
- 木下グループの長年にわたる支援と木下アカデミーの設立が、日本のペア競技の育成基盤を構築してきた
- りくりゅうの金メダルは次世代の選手にも波及しており、日本がペア強豪国として歩み始める転換点となった

