かつてSNSやテレビで連日取り上げられ、コンビニやパン屋の棚を席巻したスイーツ「マリトッツォ」。
丸いパンにたっぷりの生クリームが挟まれたインパクト抜群の見た目は、またたく間に大ブームとなりました。
しかし、気づけば街中でその姿を見かけることはほとんどなくなりました。
あれほど流行したスイーツは、一体なぜ急速に姿を消してしまったのでしょうか。
この記事では、マリトッツォが消えた5つの理由を深掘りし、ブームの裏側で起きていた変化や、2026年現在の販売状況について詳しく解説します。
一過性の流行として終わったのか、それとも形を変えて私たちの生活に残っているのか、その真実に迫ります。
マリトッツォはなぜ消えた?ブームが急激に終わった5つの決定的理由
マリトッツォが急速に市場から姿を消した背景には、複数の要因が絡み合っています。
ここでは、消費者の心理や市場の動きから分析した、ブーム終了の主な5つの理由を解説します。
理由1:見た目重視のインパクト先行で「味が単調・飽きやすい」と思われたから
マリトッツォが消えた最大の理由は、その味わいが予想以上にシンプルすぎたことにあります。
見た目のインパクトは強烈で「映え」要素は満点でしたが、構成要素は基本的に「パン」と「生クリーム」のみです。
一口目はクリームの多さに感動しても、食べ進めるうちに味の変化が乏しく、単調に感じてしまう人が少なくありませんでした。
日本人は食感や味わいの複雑さを好む傾向があるため、見た目ほどの味の深みを感じられず、リピート購入につながらなかったと考えられます。
理由2:コンビニや量販店による大量生産で「質の低下(偽物感)」が起きたため
ブームが過熱すると同時に、多くの企業が参入し、市場には類似商品が溢れかえりました。
本来のマリトッツォは、バター香るブリオッシュ生地と口溶けの良い生クリームのバランスが重要です。
しかし、コンビニやスーパーで大量販売された商品の中には、パサついたパンや植物性油脂の多い重たいホイップクリームを使用したものも多く見られました。
手軽に買えるようになった反面、「食べてみたら普通のクリームパンだった」という失望感が広がり、商品全体のブランド価値を下げてしまったのです。
理由3:クリームがはみ出して「食べにくい・汚れる」という実用面のデメリット
日常的に食べるスイーツとして定着しなかった背景には、物理的な「食べにくさ」もありました。
たっぷりのクリームは魅力的ですが、かぶりつくとクリームが鼻についたり、横からはみ出して手が汚れたりするというデメリットがあります。
きれいに食べるのが難しく、スマートフォンの操作や仕事をしながら食べるのには不向きです。
この実用面での不便さが、一過性の話題作りとしては良くても、日常のおやつとしての定着を阻んだ要因の一つと言えるでしょう。
理由4:寿司トッツォやおはぎトッツォなど「過剰なアレンジ」によるブランド崩壊
ブーム後期には、話題性を狙った過剰なアレンジ商品が次々と登場しました。
おはぎにクリームを挟んだ「はぎトッツォ」や、海鮮を挟んだ「寿司トッツォ」など、本来の定義からかけ離れた商品が乱立しました。
これらは一時的にSNSで話題にはなりましたが、「何でも挟めばいい」という風潮は、マリトッツォというスイーツのアイデンティティを曖昧にしました。
結果として、消費者は「ネタ」として消費することに疲れ、正統派のマリトッツォへの関心も薄れてしまったのです。
理由5:タピオカやティラミスと同様の「短命なトレンドサイクル」だった
マリトッツォのブーム終了は、現代の消費サイクルの早さを象徴する現象でもあります。
かつてのタピオカブームやティラミスブームと同様に、爆発的に流行したものは、その反動で急速に飽きられる傾向があります。
特にSNS主導のトレンドは情報の消費速度が速く、「一度食べて写真を撮れば満足」という層が離れると、ブームは一気に収束します。
マリトッツォもまた、この高速なトレンドサイクルの一環として消費され、次の流行へと移り変わっていったのです。
マリトッツォはいつ流行った?ブームの火付け役と背景を振り返る
ここでは、あの熱狂的なブームがいつ頃発生し、何がきっかけで広まったのかを振り返ります。
当時の社会情勢とも深く関係している流行の背景を見ていきましょう。
流行時期はいつ?ピークは2021年でコロナ禍の「おうち時間」がきっかけ
マリトッツォのブームがピークを迎えたのは、2021年です。
当時は新型コロナウイルスの影響で外出自粛が求められ、多くの人が「おうち時間」の楽しみを求めていました。
鬱屈とした雰囲気の中で、見た目が華やかで心が満たされるマリトッツォは、自宅で楽しめるプチ贅沢として注目を集めました。
また、海外旅行に行けない状況下で、イタリアの異国情緒を感じられるスイーツという点も、人々の関心を惹きつけた要因です。
火付け役は福岡のパン屋「アマムダコタン」!廃棄ロス対策から生まれた
日本におけるマリトッツォブームの火付け役と言われているのは、福岡県のベーカリー「アマムダコタン」です。
オーナーシェフが、コロナ禍で来店客が減少し、余ってしまったパン生地を活用するために開発したのがきっかけでした。
インターネットでアイデアを探す中でローマのマリトッツォに出会い、日本人の口に合うようにアレンジして販売を開始しました。
そのフォトジェニックな見た目がInstagramを中心に爆発的に拡散され、全国的な知名度を獲得することになったのです。
マリトッツォは現在どうなった?「廃れた」のではなく「定着・進化」した説
ブームが去ったと言われるマリトッツォですが、完全に消滅したわけではありません。
市場での扱われ方はどのように変化したのか、その現在地を探ります。
ブーム終了後も販売を続けている店舗の特徴とは
ブームが沈静化した後も、マリトッツォを販売し続けている店舗は存在します。
それらは主に、流行に乗って安易に参入した店ではなく、素材や製法にこだわった本格的なベーカリーやパティスリーです。
こうした店舗では、マリトッツォを一過性の流行り物としてではなく、ブリオッシュとクリームを楽しむ一つの完成された菓子パンとして扱っています。
固定ファンがついているため、ブーム終了後も定番商品としてラインナップに残っているのです。
マリトッツォは消えたのではなく「生ドーナツ」へと進化した?
興味深いことに、マリトッツォのDNAは別のスイーツへと受け継がれています。
マリトッツォの火付け役であるアマムダコタンが、次に仕掛けたのが「生ドーナツ専門店 I’m donut?」です。
ブリオッシュ生地の口溶けの良さを追求し、揚げてクリームを詰めた生ドーナツは、マリトッツォの進化形とも言える存在です。
形を変え、食感をさらに追求することで、マリトッツォのエッセンスは次のトレンドへと昇華されたと考えることもできます。
マリトッツォは現在どこで買える?コンビニ・山崎製パン・専門店の販売状況
2026年現在、マリトッツォを食べたいと思った場合、どこで購入できるのでしょうか。
かつて溢れかえっていた販売場所の現状を整理しました。
【2026年最新】セブン・ローソン・ファミマなどコンビニでの取り扱いはほぼ終了
大手コンビニエンスストア(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートなど)の店頭で、マリトッツォを見かけることはほぼなくなりました。
コンビニスイーツは商品の入れ替えサイクルが非常に早く、売上のピークを過ぎた商品は即座に棚から外されます。
かつては各社がこぞってオリジナル商品を展開していましたが、現在は定番のシュークリームやエクレア、あるいは新たなトレンドスイーツにその場所を譲っています。
山崎製パンやスーパーでの販売はある?「ヤマザキ マリトッツォ」の現状
スーパーマーケットのパン売り場でよく見かけた「山崎製パン」のマリトッツォも、現在はほとんど流通していません。
ブーム時には「マリトッツォ(オレンジピール入り)」などが大量に販売されていましたが、需要の低下とともに製造ラインナップから外れたと考えられます。
一部のスーパーのインストアベーカリーなどで散発的に作られることはあっても、袋入りの量産パンとして手に入れるのは困難な状況です。
確実に買うならここ!カルディ、イタリアンベーカリー、通販がおすすめ
現在でも確実にマリトッツォを購入できる場所は以下の通りです。
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カルディコーヒーファーム: 冷凍コーナーでオリジナルのマリトッツォを継続販売している店舗が多く、根強い人気があります。
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イタリアンベーカリー・カフェ: プリンチ(スターバックス リザーブ ロースタリーなど)や、EATALYなどのイタリア食材専門店では、本場のスタイルで提供されています。
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オンライン通販: 楽天市場やAmazonなどでは、専門店が冷凍配送でマリトッツォを販売しており、全国どこからでも取り寄せが可能です。
本場のマリトッツォとは?日本で広まった「偽物」との決定的な違い
日本でブームになったマリトッツォの中には、本場のものとは異なる特徴を持つ商品も多くありました。
最後に、イタリア・ローマの伝統的なマリトッツォの定義と、日本独自の変化について解説します。
定義:ローマ発祥の「ブリオッシュ生地」を使った伝統的な朝食
イタリアのローマにおけるマリトッツォは、スイーツというよりも「朝食」の定番です。
定義として最も重要なのは、バターと卵をたっぷりと使ったリッチな「ブリオッシュ生地」を使用していることです。
現地では、カプチーノと一緒に朝のエネルギーチャージとして食べられており、クリームも甘さ控えめで軽い口当たりのものが好まれます。
違い:ブーム時の多くの商品はブリオッシュを使っていない「ただのクリームパン」だった
日本でブーム期に量産されたマリトッツォの多くは、コスト削減や生産効率のために、ブリオッシュではなく一般的な「コッペパン」や「ロールパン」、あるいは「食パン」などが使われていました。
これらは厳密にはマリトッツォとは呼べないものであり、消費者が「ただの生クリームパン」と感じてしまった原因でもあります。
本場のブリオッシュ生地特有の口溶けや風味がない商品は、形だけを真似たものであり、それがブームの短命化を招いた一因とも言えるでしょう。
まとめ:マリトッツォ なぜ消えた
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味が単調で飽きやすく、リピーターが定着しなかった
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コンビニ等での大量生産により品質が低下し、ブランド価値が下がった
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クリームがはみ出しやすく、食べにくいという実用面の欠点があった
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過剰なアレンジ商品の乱立が、本来の魅力を曖昧にした
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タピオカなどと同様に、SNS主導の短命なトレンドとして消費された
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ブームのピークは2021年で、コロナ禍の癒やし需要とマッチしていた
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火付け役は福岡の「アマムダコタン」で、ロス対策から生まれた
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現在は「生ドーナツ」などへ形を変えて進化している側面もある
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2026年現在、コンビニやスーパーでの入手は困難である
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本場の味を求めるなら、カルディや専門店、通販を利用するのが確実である

