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ササニシキはなぜ消えた?激減の理由と現在の入手方法を徹底解説

かつて「東の横綱」と呼ばれ、日本の食卓を支えていたお米、ササニシキ。

しかし、現在スーパーの店頭で見かけることはほとんどありません。

「ササニシキはなぜ消えたのか?」「栽培が禁止されたというのは本当か?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

実は、ササニシキが姿を消した背景には、歴史的な気象災害と栽培上の大きな課題がありました。

一方で、その独特な「あっさりとした食感」や健康面へのメリットから、今ふたたび注目を集めています。

この記事では、ササニシキが激減した本当の理由から、現在の入手方法、そして知られざる魅力までを詳しく解説します。

疑問を解消し、幻のお米の新たな価値を発見してください。

目次

ササニシキはなぜ消えたのか?市場から激減した3つの決定的理由

ササニシキが市場から急速に姿を消した最大の理由は、1993年の歴史的な冷害による大打撃と、それに伴う農家の品種転換です。

かつては作付面積でコシヒカリに次ぐ全国2位を誇っていましたが、気候変動への弱さが露呈したことで、安定して生産できる品種へと置き換わっていきました。

ここでは、ササニシキ激減の背景にある3つの主要な要因について解説します。

1993年の大冷害と「平成の米騒動」が与えた致命的な打撃

ササニシキが衰退する決定的なきっかけとなったのは、1993年(平成5年)に発生した記録的な大冷害です。

この年、日本列島は異常な低温と日照不足に見舞われ、特に東北地方の稲作は壊滅的な被害を受けました。

これが世に言う「平成の米騒動」であり、国産米が不足し、緊急輸入されたタイ米などが店頭に並んだことを記憶している方もいるかもしれません。

ササニシキは寒さに弱い性質を持っていたため、この冷害で著しい不作となり、品質も大きく低下してしまいました。

この出来事を境に、農家の間では「寒さに強いお米を作らなければ経営が成り立たない」という意識が強まり、ササニシキ離れが加速することになります。

栽培が難しい?いもち病への弱さと倒れやすい茎の特徴

ササニシキが農家から敬遠されるようになったもう一つの理由は、その栽培難易度の高さにあります。

この品種は「いもち病」という稲の病気に弱く、ひとたび発生すると収量が激減してしまうリスクを抱えていました。

さらに、茎が細くて弱いため、雨風にさらされると倒れやすい(倒伏しやすい)という致命的な弱点も持っています。

収穫量を増やそうとして肥料を多く与えると、稲が伸びすぎて余計に倒れやすくなるため、肥料のコントロールも非常に繊細です。

稲が倒れると収穫作業の手間が何倍にもなるうえ、品質も落ちるため、効率化を求める現代農業において、ササニシキは非常にリスクの高い品種となってしまったのです。

コシヒカリやひとめぼれの台頭と日本人の味覚の変化

ササニシキが減った背景には、消費者の好みの変化と、より優秀な新品種の登場も関係しています。

大冷害の後、ササニシキに代わって急速に普及したのが、寒さに強く食味も優れている「ひとめぼれ」です。

ひとめぼれは、コシヒカリの系統を受け継ぎつつ耐冷性を強化した品種で、農家にとっては作りやすく、消費者にとっても美味しいお米として歓迎されました。

また、食生活の変化とともに、日本人は粘りと甘みが強い「コシヒカリ系」のモチモチした食感を好むようになりました。

その結果、粘りが少なくあっさりとしたササニシキのシェアは徐々に奪われ、主流派の座を明け渡すことになったのです。

ササニシキの栽培が禁止されたという噂は本当か?【ファクトチェック】

インターネット上で「ササニシキ 栽培禁止」というキーワードを見かけることがありますが、ササニシキの栽培が法律や条例で禁止された事実は一切ありません。

これは完全な誤解であり、現在でも特定の農家によって大切に育てられています。

なぜこのような噂が流れたのか、その背景と真実について解説します。

法律や条例での栽培禁止事実は一切なし

結論から申し上げますと、国や自治体がササニシキの栽培を禁止したという事実は存在しません。

種苗法などの法律においても、ササニシキの育成や販売を制限するような規定はなく、誰でも自由に栽培することが可能です。

農林水産省のデータや品種登録の情報を確認しても、規制の対象にはなっておらず、現在も正規の品種として扱われています。

市場から姿を消したのは、あくまで「作り手が減ったから」であり、制度的な圧力がかかったわけではないのです。

なぜ「禁止」という検索ワードが生まれたのか?その誤解の背景

「栽培禁止」という誤った噂が広まった背景には、あまりの減少スピードに対する驚きと、栽培の難しさが関係していると考えられます。

前述の通り、ササニシキは冷害に弱く倒れやすいため、JA(農協)などが農家に対して、より安定して収穫できる品種(ひとめぼれ等)への転換を強く推奨した時期がありました。

地域によっては「リスクが高いササニシキよりも、新しい品種を作りましょう」という指導が行われたため、これを「作ってはいけない=禁止された」と解釈してしまった人がいた可能性があります。

また、あまりに見かけなくなったことから「何か裏の事情があって禁止されたのではないか」という憶測が、検索ワードとして定着してしまったとも推測されます。

現在でも宮城県を中心にこだわり農家が生産を継続中

「禁止」の噂を否定する何よりの証拠は、現在でも宮城県や山形県などでササニシキが生産・販売されているという事実です。

特に発祥の地である宮城県では、ササニシキの食味を愛する農家や、その特性を必要とする寿司店などのために、契約栽培やこだわり栽培が続けられています。

大規模な流通ルートには乗りにくくなったものの、熱心な生産者によって種は守られ、その系譜は途絶えることなく続いています。

現代では、むしろその希少性と栽培技術の高さが評価され、プレミアムな「幻のお米」としてブランド化されつつあります。

ササニシキはまずい?美味しい?コシヒカリとの違いと味の特徴

「ササニシキはまずい」という意見を聞くことがありますが、これはお米の品質が悪いわけではなく、単に食感の好みの問題であることがほとんどです。

現代の主流である「モチモチ・甘い」お米とは対照的な特徴を持っているため、評価が分かれやすいのです。

ここでは、ササニシキ特有の味わいと、プロが認める美味しさの秘密について解説します。

粘りが少なくあっさり!「まずい」と言われるのは好みの違い

ササニシキの最大の特徴は、粘りが少なく、口の中でパラパラとほぐれるような「あっさりとした食感」です。

現在多くの日本人が食べ慣れているコシヒカリ系のお米は、強い粘りと濃厚な甘みが特徴です。

そのため、コシヒカリのようなモチモチ感を「美味しいお米の基準」と考えている人にとっては、ササニシキは「パサパサしている」「味が薄い」と感じられ、「まずい」という評価につながることがあります。

しかし、この「あっさり感」こそがササニシキの個性であり、おかずの味を邪魔せず、毎日食べても飽きないという熱烈なファンも多く存在します。

寿司職人がササニシキを熱烈に愛用する理由(シャリとの相性)

一般家庭でのシェアは減りましたが、高級寿司店などのプロの現場では、今でもササニシキが指名買いされています。

その理由は、酢飯(シャリ)にした時の圧倒的なパフォーマンスの良さにあります。

粘りが強いお米は、酢と合わせた時にベチャッとなりやすく、口の中でネタとシャリが分離してしまうことがあります。

一方、粘りの少ないササニシキは、酢を吸っても米粒がしっかりとしており、口の中でネタと一緒にホロリとほどける絶妙な食感を生み出します。

素材の味を引き立てる名脇役として、和食のプロフェッショナルたちからは「コシヒカリよりもササニシキ」と高く評価されているのです。

アミロース含有量の違いが食感と消化の良さを決める

ササニシキとコシヒカリの味の違いは、科学的には「アミロース」というデンプンの含有量の差で説明できます。

お米のデンプンには「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類があり、アミロースが多いほど粘りが少なく硬めの食感に、少ないほど粘りが強く柔らかい食感になります。

コシヒカリのアミロース値が約17%前後であるのに対し、ササニシキは約20〜23%と高めです。

この高いアミロース値が、ササニシキ特有のサラッとした喉越しや、胃にもたれにくい軽い食べ心地を生み出しています。

ササニシキが糖尿病やアレルギーの人に選ばれる理由

近年、ササニシキは単なる嗜好品としてだけでなく、健康を気遣う人々からの注目を集めています。

特に、血糖値が気になる方や、アトピー・アレルギー体質の方の間で「体に優しいお米」として選ばれるケースが増えています。

なぜササニシキが健康面で評価されているのか、その理由を解説します。

高アミロース米だから食後の血糖値上昇が緩やかといわれる理由

ササニシキのような「高アミロース米」は、消化吸収のスピードが比較的穏やかであると言われています。

粘りの強い低アミロース米(モチモチしたお米)は、消化酵素によって素早く糖に分解されやすいため、食後の血糖値が急上昇しやすい傾向があります。

対して、アミロースが多いササニシキは、消化に時間がかかる分、糖の吸収が緩やかになり、血糖値の急激な上昇(スパイク)を抑える効果が期待されています。

このため、糖尿病予備軍の方や、糖質制限を意識している方にとって、白米を食べる際の有力な選択肢となっています。

アトピーやアレルギー体質の人に向けた「体に優しいお米」としての評価

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを持つ方の中には、品種改良が進んだ現代のお米(コシヒカリ系)が体に合わないと感じるケースがあるようです。

科学的なメカニズムが完全に解明されているわけではありませんが、一説には、モチモチ感を出すための品種改良によって変化したタンパク質の構造などが影響しているのではないかと言われています。

ササニシキは、コシヒカリ以前の古い形質を残した品種であるため、腸への負担が少なく、アレルギー反応が出にくいと感じる人が一定数存在します。

医師や専門家の中にも、食事療法の一環として、主食をコシヒカリからササニシキなどのあっさりした品種に変えることを勧めるケースがあります。

現代のモチモチしたお米が体に合わない人への選択肢

「ご飯を食べると胃が重くなる」「食後に眠気が強い」といった不調を感じる人にとっても、ササニシキは試す価値があります。

現代のお米は「より甘く、より粘り強く」という方向で進化してきましたが、それが全ての人にとって最適とは限りません。

さらさらと胃に収まり、消化器官への負担感が少ないササニシキは、現代人の疲れた胃腸に適した「昔ながらの主食」と言えるかもしれません。

味の好みだけでなく、食後の体調の良さでササニシキを選び直す人が増えているのは、こうした背景があるからです。

ササニシキの現在は?生産地やどこで売ってるかを解説

かつてどこのスーパーでも売っていたササニシキですが、現在では入手難易度が上がっています。

しかし、完全に消滅したわけではなく、特定の場所や方法であれば購入することが可能です。

現在の主な生産地や、確実に手に入れるための購入ルートについてご紹介します。

現在の主な産地は宮城県の石巻や栗原、山形県など

ササニシキの栽培が激減した今でも、その火を絶やすまいと努力している地域があります。

代表的なのは、やはりササニシキ発祥の地である宮城県です。

特に石巻市や栗原市などの米どころでは、長年の経験を持つ農家が、気象条件に配慮しながら丁寧にササニシキを育てています。

また、隣接する山形県でも一部で栽培が行われており、東北地方が主な供給源であることに変わりはありません。

これらの地域では、ササニシキの特性を理解した栽培管理が行われており、往年の美味しさを保った高品質なお米が生産されています。

スーパーにはない?希少な「幻のお米」を購入できる場所と通販

残念ながら、一般的なスーパーマーケットや量販店の店頭でササニシキを見かけることは稀になりました。

大手流通チェーンでは、大量かつ安定的に供給できるコシヒカリやひとめぼれが優先されるためです。

ササニシキを購入したい場合は、以下の場所を探すのが確実です。

  • 米穀専門店(お米屋さん): 独自のルートで仕入れている可能性があります。

  • 百貨店・高級スーパー: こだわりの食材として取り扱われていることがあります。

  • 産直ECサイト・ネット通販: 最も確実な方法です。生産者から直接購入できるため、鮮度も保証されます。

  • ふるさと納税: 宮城県の自治体などが返礼品として用意していることが多いです。

自然栽培や有機栽培で復活を遂げるササニシキの新しい価値

現在流通しているササニシキの中には、農薬や化学肥料を使わない「自然栽培」や「有機栽培」で育てられたものが多く見られます。

ササニシキは肥料をやりすぎると倒れてしまうため、もともと多肥栽培には向いていません。

この「肥料をあまり必要としない」という特性が、自然に近い農法と非常に相性が良いのです。

「栽培が難しい厄介者」から「自然栽培に適したプレミアムなお米」へと評価が変わりつつあり、健康志向の消費者に向けて高付加価値な商品として復活を遂げています。

かつて大量生産・大量消費の中で消えていったササニシキは今、質を求める人々のための特別なお米として、新たな時代を歩み始めています。

まとめ:ササニシキはなぜ消えた?激減の理由と現在の入手方法

  • 1993年の記録的な大冷害で壊滅的被害を受けたことが衰退の最大の原因である

  • いもち病に弱く茎が倒れやすい性質があり、栽培には高度な技術が必要である

  • 耐冷性に優れた「ひとめぼれ」の登場により、農家がリスクの低い品種へ移行した

  • 日本人の好みがモチモチした食感に変化したこともシェア減少に影響した

  • 栽培禁止の事実はなく、法的な規制も一切存在しない

  • 粘りが少なくあっさりした食感は、寿司店や和食のプロから高く評価されている

  • 高アミロース米であるため、食後の血糖値上昇が緩やかで体への負担が少ない

  • アレルギーやアトピーの人でも食べやすいお米として再注目されている

  • 一般的なスーパーでは入手困難だが、ネット通販や専門店で購入可能である

  • 現在は自然栽培や有機栽培による高付加価値な「幻のお米」として復活している

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