世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁をめぐり、個人金庫から260億ウォン、日本円で約30億円相当の現金が押収されたことが大きく報じられました。
公開された金庫の内部には大量の札束が積まれ、旅行用のスーツケースにも現金が詰められていたとされています。
これほどの現金がなぜ韓鶴子総裁の金庫にあったのか、どこから出てきたお金なのかが気になるところです。
韓国の検察・警察による合同捜査本部は、教団の献金などを会計に計上しないといった方法で資金が流用され、韓総裁の個人金庫に保管されたとみています。
一方、世界平和統一家庭連合側は、金庫の資金について信者や教団内の機関から韓総裁に捧げられた「宗教的な奉献」だったとの立場を示しており、捜査機関の見方とは食い違っています。
約30億円すべてについて横領が確定したわけではありません。
韓鶴子総裁の30億円が見つかった経緯や金庫の場所、札束の出所について、現在までに報じられている内容を詳しく見ていきます。
韓鶴子の30億円はどこから?金庫から260億ウォンを押収
韓鶴子総裁の金庫から押収された現金は約260億ウォンです。
日本円では報道時の換算で約30億円にあたり、合同捜査本部が2026年8月31日に活動終了を発表したことで、改めてその規模が明らかになりました。
聯合ニュースによると、合同捜査本部は韓総裁の寝室などに設置された金庫から260億ウォンを押収し、追徴保全の手続きを進めています。
韓鶴子の金庫から見つかったのは約260億ウォン
韓鶴子総裁の金庫から見つかった現金は、少額の手元資金という規模ではありませんでした。
SBSは、2026年5月に京畿道加平郡にある天正宮の韓総裁の寝室から、合同捜査本部が現金260億ウォンを発見して押収したと報じています。
韓国メディアが伝えた映像では、壁際に設けられた大型金庫に大量の現金が保管されている様子が確認できます。
日本でもFNNプライムオンラインが9月2日に報じ、「約30億円相当の札束」が見つかったニュースとして大きく取り上げました。
30億円すべてが横領金と認定されたわけではない
ここで気になるのが、「260億ウォンすべてが横領されたお金なのか」という点です。
合同捜査本部が韓鶴子総裁らについて横領したと判断して起訴した金額は、約105億ウォンと報じられています。
聯合ニュースによると、韓総裁ら4人は2017年から2025年までに教団資金約105億ウォンを流用した疑いで追加起訴されました。
一方、金庫から押収された現金そのものは約260億ウォンです。
つまり、
「金庫から260億ウォンが押収された」
ことと、
「260億ウォン全額について横領罪で起訴された」
ことは同じではありません。
現時点では、約105億ウォンをめぐる横領容疑について今後裁判で審理されることになります。
韓鶴子の自宅金庫はどこ?寝室の壁に隠すように設置
大量の札束が見つかった場所も注目されています。
報道によると、現金が保管されていたのは韓鶴子総裁が使用する寝室などに設置された個人金庫でした。
外から見ると家具や壁の一部にも見えるような構造で、内部には棚だけでなく旅行用のスーツケースも置かれていたと報じられています。
韓鶴子の隠し金庫はベッド横の壁に設置されていた
FNNプライムオンラインは、韓総裁の金庫について、ベッド横の壁に埋め込むように設置されていたと報じています。
YTNも、外見は家具のように見える金庫だったと伝えています。
一見しただけでは金庫とは分かりにくい場所に、大量の現金が保管されていたことになります。
韓国メディアでは「秘密金庫」「寝室金庫」といった表現でも報じられており、その内部を撮影した写真や映像が公開されたことで注目がさらに高まりました。
金庫の中には大量の札束が山積みになっていた
金庫の内部には現金の束が大量に置かれていました。
FNNプライムオンラインによると、札束は金庫内に山のように積まれ、一部は結束バンドでまとめられていたとされています。
SBSが報じた映像でも、金庫内部の棚に多数の札束が並んでいる様子が確認できます。
大量の現金を金融機関ではなく寝室近くの金庫に置いていたという点も、今回のニュースが強く注目された理由の一つです。
韓鶴子のスーツケースにも札束?金庫内部に現金を保管
韓鶴子総裁の金庫では、棚に現金が置かれていただけではありません。
複数の旅行用バッグやスーツケースにも札束が詰められていたと報じられています。
スーツケースの中にも大量の札束
FNNプライムオンラインは、金庫内にあった複数のスーツケースについて、結束バンドで束ねられた多数の札束が入っていたと伝えています。
YTNも、金庫の中に置かれた旅行用バッグを開けると現金の束で埋まっていたと報じました。
現金260億ウォンという金額だけでも大きなインパクトがありますが、金庫やスーツケースいっぱいに置かれた札束の映像が公開されたことで、「なぜこれほどの現金があったのか」という疑問につながっています。
韓鶴子の30億円は献金?合同捜査本部が説明した資金の流れ
では、金庫にあった約30億円相当の現金はどこから来たのでしょうか。
合同捜査本部が明らかにした横領容疑では、教団資金の会計処理や現金で納められた献金が大きなポイントになっています。
現金の献金を会計に載せなかった疑い
聯合ニュースによると、合同捜査本部は韓鶴子総裁らが2017年から2025年までに、教団資金約105億ウォンを流用した疑いがあるとしています。
その方法として挙げられたのが、
・海外宣教師への支援金などとして虚偽の会計処理をする
・現金で納められた献金を会計に反映しない
といった手法です。
合同捜査本部は、こうして教団から外された資金が韓総裁の個人金庫に保管されたとみています。
捜査本部は約105億ウォンを横領した疑いで起訴
合同捜査本部は韓鶴子総裁のほか、元秘書室長や元教団幹部らについて、教団資金約105億ウォンを横領した疑いがあるとして起訴しました。
京郷新聞は、合同捜査本部が政治的影響力を広げるためのロビー活動や側近への贈り物、個人的な高級品の購入などに使う目的で教団資金を流用したとみていると報じています。
ただし、これは合同捜査本部側の主張です。
今回の横領容疑については起訴された段階であり、約105億ウォンをめぐる刑事責任はこれから裁判で判断されることになります。
韓鶴子側は30億円を「宗教的な奉献」と主張
世界平和統一家庭連合側は、合同捜査本部による横領との見方に反論しています。
教団側の説明では、金庫で管理していた資金は信者などが韓鶴子総裁に捧げた宗教的な意味を持つお金だったとされています。
教団側は「信仰的な献げ物」と説明
YTNによると、世界平和統一家庭連合は韓総裁の横領容疑での起訴について「無理な法適用」だとして反発しています。
教団側は、韓総裁の金庫に保管されていた「内室資金」について、信者や教団内の各機関が信仰や宗教的献身の表現として韓総裁に自発的に奉献した「信仰的な礼物」だと説明しました。
また、韓総裁がその資金を私的に使ったわけではなく、奉献した側の意思に沿って宣教活動などの公的用途に使ったと主張しています。
30億円の出所をめぐり捜査側と教団側で主張が異なる
現在明らかになっている内容を見ると、金庫にあった資金については捜査側と教団側で説明が大きく異なります。
合同捜査本部は、少なくとも約105億ウォンについて、教団資金を虚偽の会計処理や献金の未計上などによって流用した疑いがあるとみています。
一方、教団側は金庫内の資金を信者や教団機関から韓鶴子総裁への宗教的な奉献だったと説明しています。
そのため、「約30億円はすべて信者から横領した献金だった」と現時点で言い切ることは報道内容と一致しません。
金庫から260億ウォンが押収された事実と、約105億ウォンについて横領容疑で起訴されたことを分けて見ると、今回のニュースの全体像が分かりやすくなります。
韓鶴子の30億円と懲役2年判決は別の事件?
韓鶴子総裁については、約30億円の金庫報道とほぼ同じ時期に「懲役2年」というニュースも報じられています。
ただし、8月31日に言い渡された懲役2年の判決と、金庫の約105億ウォンをめぐる横領容疑は別の事件です。
8月31日に懲役2年の一審判決
ソウル中央地裁は2026年8月31日、政治資金法違反などの罪に問われていた韓鶴子総裁に懲役2年の実刑判決を言い渡しました。
聯合ニュースによると、尹錫悦前大統領の側近だった権性東元国会議員への1億ウォンの政治資金提供や、金建希被告への高級品提供などについて有罪と判断されています。
金庫の約105億ウォン横領容疑はこれから裁判へ
一方、自宅金庫で見つかった現金に関連する約105億ウォンの横領容疑は、合同捜査本部が新たに起訴した事件です。
そのため、懲役2年という判決だけを見て「30億円の金庫事件でも懲役2年になった」と受け取ると、二つの事件が混ざってしまいます。
金庫に保管された資金をめぐる横領容疑については、今後の裁判で合同捜査本部側と韓総裁側の主張が争われることになります。
韓鶴子の30億円は何のお金?現在分かっていること
韓鶴子総裁をめぐる今回の報道で確認できる大きなポイントは、個人金庫から約260億ウォン、約30億円相当の現金が押収されたことです。
金庫は韓総裁の寝室などに設置され、内部の棚やスーツケースには大量の札束が保管されていたと報じられています。
合同捜査本部は、韓総裁らが2017年から2025年までに教団資金約105億ウォンを流用し、現金で納められた献金を会計に載せないなどの方法で個人金庫に保管した疑いがあるとしています。
一方、世界平和統一家庭連合側は、金庫の資金について信者や教団内の機関から韓総裁に捧げられた宗教的な奉献だったと反論しています。
現時点で分かっているのは、金庫から260億ウォンが押収され、そのうち約105億ウォンに関係する教団資金の横領容疑で韓総裁らが起訴されているというところです。
約30億円全体の法的な性質や、横領容疑として起訴された資金についての最終的な判断は、今後の裁判で示されることになります。

