「若者の3人に1人が結婚するつもりはない」というニュースを見て、なぜ結婚を望まない人が増えているのか気になった人も多いのではないでしょうか。
こども家庭庁が2026年8月に公表した「若年世代に関する総合的な調査(若者10万人の総合調査)」の途中経過では、15〜39歳の未婚者43,529人のうち、35.1%が「結婚するつもりはない」と回答しました。
ただし、35.1%は若者全体ではなく、離死別を含まない未婚者を対象とした割合です。また、結婚しない背景は収入だけではありません。自由時間や趣味、結婚したいと思える相手の有無、住居、子どもをもつことへの考え方、家事や子育ての分担など、複数の要素が回答に表れています。
要点
- 「結婚するつもりはない」35.1%は、15〜39歳の未婚者を対象とした割合です。
- 表示された回答割合では、約65%が何らかの結婚意向を示しています。
- 未婚者全体の結婚のハードルは、収入への不安40.0%、自由時間・趣味時間の減少34.4%、結婚したいと思える人がいない32.6%が上位です。
- 「結婚するつもりはない」層では、「結婚したいとは思わない」が53.1%で最多です。
- 2026年8月公表分は途中経過の暫定速報です。
若者の3人に1人が結婚するつもりはないという調査結果
こども家庭庁の調査では、結婚意欲について「すぐにでも結婚したい」「2〜3年以内に結婚したい」「5年以内に結婚したい」「いずれは結婚したい」「結婚するつもりはない」の5つの選択肢で回答を集計しています。
| 結婚意欲 | 割合 |
|---|---|
| すぐにでも結婚したい | 9.5% |
| 2〜3年以内に結婚したい | 10.3% |
| 5年以内に結婚したい | 7.7% |
| いずれは結婚したい | 37.5% |
| 結婚するつもりはない | 35.1% |
35.1%は15〜39歳の未婚者を対象とした割合
「3人に1人」という表現だけでは若者全体の割合にも見えますが、35.1%の母数は15〜39歳の未婚者43,529人です。結婚歴があり離別・死別した人は、この集計の未婚者には含まれていません。
調査全体の有効回答は67,905人で、結婚意欲の設問ではその中の未婚者が集計対象になっています。そのため、「15〜39歳の若者全体の35.1%が結婚するつもりはない」という意味ではありません。
未婚者の約65%は何らかの結婚意向を示している
「結婚するつもりはない」が35.1%だった一方、すぐにでも結婚したい人から、いずれは結婚したい人までを合わせると、表示された割合では約65%です。
未婚の若者が一様に結婚を望んでいないわけではなく、結婚を望む層と、結婚を望まない層の双方が存在しています。
結婚しない理由は収入だけでは説明できない
ニュースでは「収入への不安40.0%」が大きく取り上げられていますが、この数字は未婚者全体が挙げた「今後結婚するとしたら何がハードルになるか」という設問への回答です。
「結婚するつもりはない」と答えた人だけに限ると、最も多い回答は「結婚したいとは思わない」の53.1%でした。経済面は大きなテーマの一つですが、非婚意向を一つの原因だけで説明できる調査結果ではありません。
結婚するつもりはない若者が挙げた主な理由
「結婚するつもりはない」と答えた15,269人の回答では、結婚そのものへの意欲、自由時間、パートナーとの出会い、収入などが結婚のハードルとして挙げられています。
| 結婚のハードル | 割合 |
|---|---|
| 結婚したいとは思わない | 53.1% |
| 自由な時間がなくなる・趣味時間の短縮 | 27.6% |
| 結婚したいと思える人がいない | 25.5% |
| 安定した結婚生活を送れる収入への不安 | 23.5% |
| 人との関係性づくり | 20.2% |
| こどもをもつかどうかの価値観の違い | 20.0% |
結婚したいとは思わないが53.1%で最も多い
非婚意向層で最も多かったのは、「結婚したいとは思わない」という回答です。割合は53.1%で、半数を超えています。
この結果からは、収入や出会いなどの条件が整えば結婚したい人だけでなく、結婚そのものを人生の選択肢として強く求めていない人も一定数いることがうかがえます。
自由な時間や趣味の時間が減ることへの不安
「自由な時間がなくなる・趣味の時間が短くなる」は27.6%でした。非婚意向層のおよそ4人に1人が、結婚後の時間の使い方をハードルとして挙げています。
さらに、結婚より優先度が高いものを尋ねた設問では、非婚意向層の59.4%が「余暇・趣味を楽しむこと」を選んでいます。自分の時間を保ちたいという価値観は、結婚への意識と関連するテーマとして調査結果に表れています。
結婚したいと思える人がいない
「結婚したいと思える人がいない」は25.5%でした。単に異性やパートナー候補と出会っていないという意味に限らず、「結婚したいと思える相手」という条件まで含んだ回答です。
結婚への意思が弱い人の中にも、相手との出会いや関係性がハードルになっている人がいることが分かります。
安定した結婚生活を送れる収入への不安
非婚意向層で「安定した結婚生活を送れる収入への不安」を挙げた人は23.5%でした。結婚するつもりはない人の中でも、経済面を負担として感じる回答は一定数あります。
ただし、非婚意向層では「結婚したいとは思わない」53.1%の方が大幅に高く、収入だけを非婚の最大理由とする内容にはなっていません。
未婚の若者全体では収入が結婚の最大のハードル
15〜39歳の未婚者全体では、結婚のハードルとして「安定した結婚生活を送れる収入への不安」が40.0%で最も多くなりました。
| 結婚のハードル | 未婚者全体 | 結婚するつもりはない層 |
|---|---|---|
| 結婚したいとは思わない | 19.7% | 53.1% |
| 自由時間・趣味時間が減る | 34.4% | 27.6% |
| 結婚したいと思える人がいない | 32.6% | 25.5% |
| 収入への不安 | 40.0% | 23.5% |
未婚者全体と非婚意向層では、回答の順位が大きく異なります。未婚者全体では経済面の不安が最上位ですが、非婚意向層では結婚そのものへの意欲の低さが最上位です。
収入への不安を挙げた人は40.0%
未婚者全体では、10人に4人が結婚生活を支える収入に不安を感じています。結婚後の家計には住居費や生活費だけでなく、子どもを希望する場合の教育費なども関わるため、将来の生活設計と収入は結びつきやすいテーマです。
厚生労働省の労働経済に関する分析でも、若年層が結婚生活を始める際に想定する世帯収入と、実際の収入との間に開きがあることが示されています。今回の40.0%という回答とも重なる経済的な背景です。
自由時間や趣味時間の減少は34.4%
未婚者全体では34.4%が、自由な時間がなくなることや趣味時間が短くなることを結婚のハードルとして挙げています。
結婚より優先度が高いものでは「余暇・趣味を楽しむこと」が50.8%で最多でした。収入だけでなく、時間の使い方や生活の自由度も若者の結婚観に関係しています。
結婚したいと思える人がいない人は32.6%
「結婚したいと思える人がいない」は32.6%で、未婚者全体の約3人に1人にあたります。
女性では年齢が高い層ほど、この回答の割合が高くなる傾向も示されています。調査結果では、結婚意欲だけでなく、結婚したいと感じる相手との出会いも現実的なハードルとして表れています。
住居費や子ども・家事分担への不安もある
上位3項目以外では、「住居・住居資金が不足している」30.3%、「こどもをもつかどうかの価値観の違い」30.1%、「家事・子育ての分担が偏ること」27.0%、「人との関係性づくり」25.9%などが挙がりました。
結婚に伴う不安は、収入、住まい、時間、パートナーとの価値観、家事・育児の役割分担まで幅広く広がっています。
若者が結婚したくないと感じる背景にあるもの
結婚後の生活を支える経済面への不安
結婚は婚姻届だけで完結するものではなく、その後の住居や生活費、将来設計と結びつきます。未婚者全体で収入への不安が40.0%、住居・住居資金への不安が30.3%となったことからも、生活基盤への負担感が大きいことが分かります。
経済的不安は結婚を望まない理由そのものと断定できるものではありませんが、結婚を具体的に考えた際のハードルとして強く意識されています。
結婚より余暇や趣味を優先する人も多い
未婚者全体の50.8%、非婚意向層の59.4%が、結婚より「余暇・趣味を楽しむこと」の優先度が高いと回答しています。
仕事以外の時間を趣味や友人関係、一人で過ごす時間に使う生活を重視する人にとって、結婚後に自由時間が減るというイメージは無視できない要素になっています。
出会いやパートナー選びも結婚の壁になっている
結婚したいと思える人がいないという回答は未婚者全体の32.6%でした。結婚への意欲があっても、実際に結婚を考えられる相手との関係がなければ、結婚は具体的な選択になりにくい面があります。
こどもをもつかどうかの価値観や家事・子育ての分担も上位に入っており、相手がいるかどうかだけでなく、将来の生活を共有できるかという条件も関わっています。
結婚そのものを望まない価値観も表れている
非婚意向層の53.1%が「結婚したいとは思わない」と回答したことは、経済面や出会いとは別に、結婚そのものを強く望まない価値観があることを示しています。
結婚するかどうかは個人の自由な意思決定に関わるもので、結婚を望む人と望まない人のどちらも若年層の中に存在しています。こども家庭庁も、結婚、妊娠・出産、子育てについて、個人の自由な意思決定と多様な価値観の尊重を前提としています。
若者の結婚観は以前と比べてどう変わっている?
2021年調査でも未婚者の結婚意思は前回より低下した
国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査では、18〜34歳の未婚者で「いずれ結婚するつもり」と答えた割合は男性81.4%、女性84.3%でした。
2015年の前回調査と比べると男女とも低下しており、「一生結婚するつもりはない」は男性17.3%、女性14.6%でした。結婚意思の変化は2026年になって突然現れたものではなく、以前の公的調査でも変化が示されています。
2026年調査とは対象年齢や設問が異なり単純比較はできない
2021年の出生動向基本調査は18〜34歳、2026年の若者10万人の総合調査は15〜39歳が対象で、調査方法や回答項目も異なります。
そのため、2021年の「一生結婚するつもりはない」と2026年の「結婚するつもりはない」をそのまま並べて、「短期間で倍増した」とすることはできません。両調査から共通して読み取れるのは、未婚者の結婚意識が一様ではなく、結婚を望まない層も一定数存在するという点です。
こども家庭庁の若者10万人の総合調査とは
15〜39歳を対象にしたインターネット調査
若者10万人の総合調査は、こども家庭庁が15〜39歳の若者を対象に実施したインターネットアンケートです。調査会社の登録モニターから回答を集めています。
2026年8月に公表された途中経過では、7月23日までの有効回答67,905人が暫定集計の対象になりました。
結婚意欲の集計対象は未婚者43,529人
結婚意欲に関する集計では、離死別を含まない未婚者43,529人が対象です。このうち「結婚するつもりはない」と答えた人は15,269人で、割合は35.1%でした。
調査全体の回答者数と結婚意欲の集計対象は異なるため、「67,905人の35.1%が結婚するつもりはない」という結果ではありません。
2026年8月公表の数値は途中経過の暫定速報
2026年8月に公表された内容は途中経過の暫定速報です。こども家庭庁は最終的な調査結果を年度末にまとめる予定としています。
また、暫定集計では性別や年代別で回答者数に差があります。公表資料でも、全体値はこうした回答構成を踏まえた参考値として示されています。
調査結果の範囲
35.1%は15〜39歳の未婚者を対象とした割合で、若者全体の割合ではありません。また、「結婚のハードル」は複数回答で尋ねた項目で、結婚しない理由を一つに特定した設問ではありません。2026年8月公表分は途中経過の暫定速報です。
若者が結婚するつもりはない理由に関するよくある疑問
若者全体の3人に1人が結婚したくないという意味ですか?
いいえ。35.1%は15〜39歳の未婚者43,529人を対象とした割合です。若者全体の35.1%ではありません。 若者が結婚しない一番の理由は収入ですか?
未婚者全体の「結婚のハードル」では収入への不安40.0%が最多です。一方、「結婚するつもりはない」層では「結婚したいとは思わない」53.1%が最多でした。 自由な時間がなくなることを不安に感じる人は多いですか?
未婚者全体の34.4%が、自由時間がなくなることや趣味時間が短くなることを結婚のハードルとして挙げています。 結婚したいと思える人がいない若者はどれくらいですか?
未婚者全体では32.6%が「結婚したいと思える人がいない」と回答しています。「結婚するつもりはない」層では25.5%でした。 結婚したくない若者は昔より増えていますか?
2021年の出生動向基本調査でも未婚者の結婚意思は前回調査より低下しています。ただし、2026年調査とは対象年齢、調査方法、回答項目が異なるため、35.1%との単純な増減比較はできません。
まとめ:若者が結婚するつもりはない理由は一つではない
- こども家庭庁の2026年8月の暫定調査では、15〜39歳の未婚者の35.1%が「結婚するつもりはない」と回答しました。
- 35.1%は若者全体ではなく、離死別を含まない未婚者43,529人を対象とした割合です。
- 表示された回答割合では、未婚者の約65%が何らかの結婚意向を示しています。
- 未婚者全体では、収入への不安40.0%が結婚の最大のハードルでした。
- 自由時間・趣味時間の減少は34.4%、結婚したいと思える人がいないは32.6%でした。
- 「結婚するつもりはない」層では、「結婚したいとは思わない」が53.1%で最多でした。
- 非婚意向層では、自由時間の減少27.6%、結婚したいと思える人がいない25.5%、収入への不安23.5%と続きます。
- 未婚者全体の50.8%、非婚意向層の59.4%が、結婚より余暇・趣味を優先度の高いものとして挙げています。
- 住居費、子どもをもつことへの価値観、家事・子育て分担なども結婚のハードルとして挙がっています。
- 2026年8月公表分は途中経過の暫定速報で、若者の結婚観には経済面、時間、出会い、生活設計、結婚そのものへの価値観が重なっています。

